6月28日から7月8日にかけて、台風と梅雨前線による豪雨によって、西日本を中心とした広い範囲で大規模な水害や土砂災害が発生しました。被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。日経コンストラクションでは7月23日号に被害状況の第一報を掲載しました。今後も日経 xTECHのウェブサイトと日経コンストラクションの誌面で、各地の被害の状況や災害発生メカニズム、復旧の状況などについてお伝えしていきます。

日経コンストラクション7月23日号「緊急報告・平成30年7月豪雨」から
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 さて、日経コンストラクション7月23日号では、特集「もう嫌だ、設計ミス」を掲載しました。最近では「赤黄チェック」の普及などミス防止の対策が進化してきましたが、人がやることである以上、ミスを完全に無くすのは難しいかもしれません。

 とはいえ、「ミスは起こるもの」と諦めるわけにはいきません。少しでもミスを起こりにくく、かつ生じたミスを発見しやすくするような取り組みが求められます。特集記事では、そんなミス防止対策について考えてみました。

日経コンストラクション7月23日号特集「もう嫌だ、設計ミス」から
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 相変わらず多いのは「単純ミス」です。建設コンサルタンツ協会の調査によれば、単純ミスのおよそ4分の1が、設計・照査の時間不足に起因することが分かりました。その理由の1つが業務の集中。以前に比べ、「年度またぎ」できる業務は増えてきましたが、例えば16年度の国交省発注の土木設計業務を見ると、いまだ6割の業務の履行期限が3月に設定されています。

 時間が取れなくても照査が確実に行えるよう、建設コンサルタント各社は知恵を絞ります。例えばニュージェックでは、部門ごとに「照査マネジャー」を選任し、適切なタイミングで照査できるように工程を管理。担当者が忙しくて照査の時間が取れない場合は、照査に取り掛かるのが多少遅くなるのを容認しています。厳格な工程を引いても、絵に描いた餅に終われば元も子もありません。限度はありますが、工程に柔軟性を持たせることで実効性を高めようという考え方です。

 ひとたび大きなミスが発覚すれば、対策をガチガチに固めたくなります。しかし、固めれば固めるほど実行するのは難しく、取り組みの形骸化を招きやすくなります。ミス撲滅に本気で取り組む建設コンサルタント会社では、照査のやり方を固定化せず、マイナーチェンジを繰り返しているといいます。実効性を高めるためには、取り組みに柔軟性を持たせることが重要です。

出典:日経コンストラクション、2018年7月23日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。