日本発のライフスタイル型ホテルブランドの先駆けとされる、東京・渋谷の「トランクホテル」。2000年代からホテル事業を温めていたというウエディング産業のイノベーターであるテイクアンドギヴ・ニーズの野尻佳孝会長は、次の展開として10店舗へと拡大を構想中だ。同会長に、その経営戦略について聞いた。

 「トランクホテル」(※)(東京・渋谷)は2017年の開業以後、実績も好調で、平均客室単価は約6万円、稼働率は90%を超えています。宿泊者の90%はインバウンドで、そのうち80%以上が欧米からという点が特徴です。

※公式には「TRUNK(HOTEL)」「トランク(ホテル)」とされているが、本記事では「トランクホテル」と記している。

 トランクホテルの次の展開として、27年までに10店舗を出店します。全て東京です。というのは、こんな大都市は世界中を見ても他に例がない。路地が入り組んでいて新旧が共存する、カオスな街だと思っています。渋谷には渋谷の面白い顔があって、渋谷の中にだっていろんな顔がある。六本木も赤坂も、また顔が違う。マンハッタンですら、東京ほど多くの顔を持ち合わせていないですからね。

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野尻佳孝(のじり・よしたか)氏/テイクアンドギヴ・ニーズ代表取締役会長、TRUNK代表取締役社長。1972年生まれ。明治大学卒業後、現・三井住友海上火災保険を経て、98年にハウスウエディング事業を手掛けるテイクアンドギヴ・ニーズ設立。2001年に現・新ジャスダック、06年に東証1部上場、10年に代表取締役会長就任。16年にホテルの企画から運営までを手掛けるTRUNKを設立し、代表取締役社長に就任(写真:山田 愼二)

 けれど、これほど多彩な顔を持ちながら、今の東京って、正直つまらないでしょう。海外のホテル関係者や、デザイナーなど東京にいる仲間たちからも、そう言われます。でも本来は、すごく面白い街なんです。

 「TOKYO PLAY」。トランクホテル全体のコンセプトです。要は、「東京を遊ぼう」「東京を遊んじゃえ!」という掛け声です。それぞれの街が持っている顔に合わせ、 大人たちの“遊び場”をつくる。東京という街全体の価値を高め、世界に発信する。そんな思いを込めています。

 その上で、ホテルごとに全部違うコンセプトを持たせます。最初の渋谷のトランクホテルであれば、等身大の社会貢献を意味する「ソーシャライジング」。他に例えば、「東京エスケープ」って面白いじゃないですか。東京に超ジェントルなホテルがあってもいいよねとか。既に20~30のコンセプトを立案し、出店したいエリアも絞り込んでいます。土地が決まり次第、事業化していきます。

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トランクホテルの外観。東京都渋谷区神宮前に2017年5月に開業。ホテル棟とブライダル棟の2棟で構成されている。延べ面積は5106m2、総客室数は15室。プロジェクト・マネジメントをレンドリース・ジャパン、設計を安宅設計、内装をデザインアーク、施工を東急建設がそれぞれ担当。デザイン監修にマウントフジアーキテクツスタジオ、ホテル棟内装にジャモアソシエイツ、ストアデザインにトラフ建築設計事務所などが参画している(写真:TRUNK)

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