2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、1年半を切った。今年の夏以降、テスト大会が続々と始まる。五輪に向けて新築工事が進む競技施設のなかでも、いち早くテスト大会を迎えるのが、水上競技に使われる「カヌー・スラロームセンター」と「海の森水上競技場」だ。いずれも1月末時点の工事の進捗率は70%を超えた。だが、カヌー・スラロームセンターでは一部の工事に遅れが生じている。

2019年8月にテスト大会を控える「海の森水上競技場」を上空から見る。18年12月中旬に撮影した(写真:ITイメージング)
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 2月12日、都が報道陣に公開した6つの五輪施設のうち、3つのアリーナについては既にリポートした(関連記事:五輪向け“3大アリーナ”の現場大詰め)。今回は、2つの水上競技施設と選手村の工事状況をお伝えする。

工事受注会社の経営破綻で工事に遅れ

 東京都江戸川区の葛西臨海公園に隣接する「カヌー・スラロームセンター」は、五輪でカヌー競技の会場となる。現場では、競技コースのコンクリートの打設工事が最終段階を迎えていた。工事の進捗率は1月末時点で74%だ。完成すれば、日本初の人工スラロームコースとなる。

スタート地点となる西側から競技コースを見る。競技コースのコンクリートは、コストや施工性などを考慮し、大部分を現場で打設している(写真:日経アーキテクチュア)
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東側から見た施工現場の現況(資料:東京都)
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 競技コースの工事が着々と進む一方で、敷地の東側に整備する管理棟の工事が遅れている。管理棟の工事を請け負っていた建設会社のエム・テックが経営破綻し、工事が一時中断したためだ。再発注を済ませ、既に工事は再開しているが、当初目指していた5月の全体竣工は12月に延びる見込みだ。管理棟以外の工程は予定通り5月に終え、10月に開催されるテスト大会は仮設の管理棟で対応する。

カヌー・スラロームセンターの施設配置図(資料:東京都)
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 同センターは、長さ約200mの競技コースや水流をつくり出すポンプ施設、艇庫機能や更衣室などを備えた管理棟などを整備する。五輪・パラリンピック時の観客席数は約1万5000席。観客席はすべて仮設で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(組織委)が整備する。

 本体の基本設計・実施設計はパシフィックコンサルタンツ、施工は鴻池組・西武建設・坪井工業JVが担当する。整備費は約73億円。

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