五輪に向けて新築するアリーナの中で最も遅く着工し、最も早く竣工するのが有明体操競技場だ。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会)は2018年11月7日、山場を迎える施工現場を公開した。その詳細と工期短縮の工夫について、前編と後編の2回に分けて紹介する。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック会場となる有明体操競技場。最大の特徴は、約90mの大スパンとなる木造梁だ。その木造梁中央部の2回目のリフトアップが2018年11月7日、報道陣に初めて公開された。17年11月に着工しており、公開時点の工事の進捗率は、約50%だ。

2018年11月7日、報道陣に初めて公開された有明体操競技場の施工現場。2回目のリフトアップが公開された。公開時点の工事の進捗率は約50%。東京都江東区、東雲運河沿いの敷地で建設が進む(写真:日経アーキテクチュア)
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 建物は、主競技場となる本体建物とウオームアップ棟で構成する。主競技場の延べ面積は約3万5200m2。 日建設計が基本設計、清水建設が実施設計と施工を手掛ける。清水建設の技術アドバイザーとして、斎藤公男・日本大学名誉教授が参画している。事業主体は組織委員会だ。

メインエントランスとなる北西側から見た外観の完成イメージ。観客は2階レベルからアプローチする(資料:Tokyo2020)
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大会時の内観イメージ。木造梁のスパンは約90mに及ぶ。観客席にも木を採用した。大会後は観客席をすべて撤去し、東京都が約10年間、展示場として使用する計画だ(資料:Tokyo2020)
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 この布陣で五輪という晴れの舞台にふさわしい木の新たな活用手法に挑む。組織委員会によると、鉄骨などを構造材として併用しない木造梁のスパンとしては、「世界最大級」という。これを「常識破り」(清水建設の永田正道・有明体操競技場新築工事所長)の施工計画によって、超短工期で完成させる。

 同競技場は仮設の扱いだが、大会後は約10年間、東京都が展示場に活用。設計条件は恒設と変わらない。大会後の改修などを含む整備費は、概算で約253億円だ。

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