北九州市の小倉都心部を流れる紫川沿いが生まれ変わった。2019年3月に、橋の下などで途切れていた水辺の遊歩道が連続化。18年度に民設・民営方式でオープンした「コメダ珈琲店」とともに、人を呼び込む水辺が創出されている。これらの事業の先陣を切って16年に導入したのが、官民連携でのキッチンカー群だ。

紫川左岸側の勝山公園内に、市が公募設置管理制度(Park-PFI)を活用して、川沿いに「コメダ珈琲店」を設置した(写真中央部)。左に見える建物は市役所。写真右は大規模商業施設のリバーウォーク北九州(写真:イクマ サトシ)
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紫川に架かる鷗外(おうがい)橋越しに、西側橋詰め広場付近の整備区間を望む(写真:イクマ サトシ)
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社会実験でニーズを探る

 「コメダ珈琲店」の開設や水辺の遊歩道の整備を経て、勝山公園の鷗外(おうがい)橋西側の橋詰め広場付近は、大きくイメージが変わった。それまで夜間は暗く人気が少ないエリアだったが、店舗が放つ光によって明るくにぎわいの感じられる空間へと一新。改修によって、公園と水辺の見通しの良さや動線を確保したことで、水辺空間の回遊性も高まった。

 事業の成功には、北九州市がこれらの改修整備に先駆けて実践してきた「社会実験によるニーズ探り」が背景にある。

 話は5年前に遡る。市は2014年に、JR小倉駅の新幹線口エリアでのにぎわいを小倉都心部へと広げ、交流人口を増やす「都心集客アクションプラン」を公表。これを受け、市の建設局は、公共空間を活用したにぎわい創出の仕組みづくりとして建設局版のアクションプラン計画を作った。

 翌15年には、市が街づくり団体や市民を交えて公園や河川を活用したにぎわいづくりについての勉強会を開く。そして15年11月から16年9月まで、鷗外橋西側の橋詰め広場や小倉城のお堀前で、複数のキッチンカーによって飲食物を販売する「カナル・ヴィオラ」と名付けた社会実験を実施した。

コメダ珈琲店を整備する前の鷗外橋西側橋詰め広場などで実施した「カナル・ヴィオラ」の社会実験の様子。カナル・ヴィオラはイタリア語で、紫の運河を意味する。2015年11月~16年9月の延べ来客数は約1万9000人(写真:北九州市)
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