2018年10月8日に開かれた擬宝珠橋の完成式の様子。2000人の市民が渡り初めを楽しんだ。橋の名前の由来となった写真右側の擬宝珠(高欄の上に設けられている飾り)も、現存していた1つを基に忠実に復元。12基設置した(写真:鳥取市)
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 前編で紹介したように、擬宝珠(ぎぼし)橋は明治元年(1868年)に架け替えた当時の橋脚の位置を正確に復元するために、構造形式を工夫した。実は、それ以外の部位も忠実に再現している。

 事前の発掘調査では、橋脚遺構の他に床板と認定できる遺物も2点検出された。鳥取市教育委員会文化財課の細田隆博文化財専門員は言う。「床板はいずれもクリ材で厚みは100mmほど。1点には地覆の痕跡が明瞭に残っていた。これらの実測値と古写真とを照らし合わせて解析し、親柱の径や高欄を形成する各部材の寸法を細かく読み解いて、復元橋に忠実に反映していった」。

 ただし、材料は将来のメンテナンスに考慮して、“忠実さ”を追い求めていない。「復元対象とした橋の遺構や遺物に合わせて、復元橋の橋脚と床材はクリ材としたが、クリ材はもともと流通量が少ない。将来のメンテナンス時に部材をそろえるのは大変だと判断し、高欄と桁にはヒノキ材を採用することにした」(細田専門員)。

堀底から橋脚遺構の他、床板が発掘された。1621年創建の擬宝珠橋よりも昔に架かっていた「欄干橋」と思われる遺構も検出。これらの遺構は現在も水中で保存されている(写真:鳥取市)
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