建設分野でAI(人工知能)を使った技術開発が盛り上がり出したのは、2016年ごろ。大手の建設会社などが、仕事の生産性の向上や人手不足の解消を目指してAIに目を付け始めた。

 日経コンストラクションはその動向を踏まえて、17年に「インフラ×AI」の業界地図を作成。あれから2年の間で、土木を巡るAI開発競争はさらに激化している。

 現在では大手・中小の規模を問わず、建設会社や建設コンサルタント会社が異業種と次々に組んでAIの開発に着手している。そこで改めて、取材や各社の発表資料を基に、土木分野でのAIの主な開発事例を「入札・調査・設計」「施工」「施工管理」「維持管理」「災害対応」に分類してみた。

2017~19年度の各社の報道発表資料や取材を基に日経コンストラクションが作成。土木分野のAIを用いた研究開発やサービスをまとめた。開発に取り組む企業や研究機関の名称と技術の概要を示した。着色した会社はスタートアップやAIの開発会社などの建設業界外、白塗りの会社は建設会社や建設コンサルタント会社などの業界内をそれぞれ表す
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 この2、3年で大きく変わったのが、AIの活用の幅だ。16年ごろは、構造物の維持管理や建機の自動化が中心だった。近年では、各社がスタートアップや建設業界外の企業と連携して、多岐にわたる業務にAIを導入しようと試みている。

 建設業の上流工程に当たる「入札・調査・設計」では、入札や設計に使えるAI技術が続々と生まれている。数年前はほとんどなかった。

2017~19年度の各社の報道発表資料や取材を基に日経コンストラクションが作成。入札・調査・設計段階のAIを用いた研究開発やサービスをまとめた。開発に取り組む企業や研究機関の名称と技術の概要を示した。着色した会社はスタートアップやAIの開発会社などの建設業界外、白塗りの会社は建設会社や建設コンサルタント会社などの業界内をそれぞれ表す
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 例えば、富士通は開発した積算ミスを検知するAIを開発し、18年10月に提供を開始した。事前にAIが学習した過去の積算データと積算担当者が入力する数字などのデータとを比較し、その乖離(かいり)度からミスの可能性を示す。経験の浅い職員でも簡単に積算資料をチェックできる。

 他にもAIをレーダーなどの技術と組み合わせれば、今まで見えなかった箇所を予測できるようになるため、工事前の設計や調査が楽になりそうだ。

 応用地質と日立製作所は19年9月、レーダーを搭載した車で走りながら取得した画像をAIで分析し、地下の埋設物の情報をマップ化して提供するサービスでの協業を発表した。道路工事などでは、予想外の埋設物により設計の手戻りが生じることが珍しくなかった。

新サービスの概要(資料:日立製作所、応用地質)
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