鹿島は三菱電機、三菱電機エンジニアリング(東京・千代田)と共同で、ニューマチックケーソン工法による掘り残しを遠隔地からでも正確に判別するシステムを開発した。従来、潜函(せんかん)作業員がケーソン内に入り、数十分から数時間かけて計測していた作業が不要になる。

鹿島などが開発した「ケーソン掘残し幅計測システム」のイメージ(資料:鹿島)
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 ニューマチックケーソン工法では、ケーソンと呼ばれる鉄筋コンクリート製の函(はこ)の下部を掘削しながら、ケーソンを所定の位置まで沈下させて設置する。掘削する作業空間は、常に乾いた状態に保つように圧縮空気を送り込む。気圧が高まり、作業には減圧症を患うといった危険を伴うため、無人化の技術が求められていた。

 開発したシステムは、ケーソン外周部の刃口と土砂の境界線を正確に把握できる。函内でも特に無人化が難しかった作業の1つだ。ケーソン下部の中央に据え付ける耐環境レーザースキャナーで、3次元の点群情報を取得。外周の刃口付近の点群を自動で検出して、刃口と土砂との境界を算出する。天井レールを走行する掘削機械の干渉を考慮し、小型のレーザースキャナー開発に成功した。

 掘削機械との干渉などでレーザースキャナーでは点群化できない範囲については、超広角のネットワークカメラの画像を基に、AI(人工知能)の機械学習により土砂境界を推定し補完する。収集した画像を短冊状にトリミングし、刃口と土砂との境界を指定した教師データを学習させることで、目視に近い識別精度を得られるようになった。

スキャンした3次元点群データと撮影した画像とを組み合わせて分析。ケーソン刃口と土砂の境界や掘削状況を検出・表示する。左は点群での表示、右は上から見た掘削状況(資料:鹿島)
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超広角カメラで撮影した画像を短冊状にトリミングし、土砂境界を推定する(資料:鹿島)
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