東京工業大学は、重さ10㎏の物体を保持できる世界最長10mの「超長尺多関節ロボットアーム」を開発した。細長い形状で10個の関節を曲げられるため、障害物のある狭い場所への進入が可能だ。橋梁やトンネルなどのインフラの点検作業で、人の立ち入りが困難な箇所における目視や打音検査の自動化への応用が見込まれる。

 アームは全長10m、直径20cm。上下に動く関節7個と左右に動く関節3個を持つ。上下に動く関節を垂直方向に伸ばすと、最大10mの高さになる。左右に動く関節を曲げると、左側に最大4m、右側に最大4mの範囲をカバーする。

東京工業大学が開発した「超長尺多関節ロボットアーム」。アームの全長は10m、直径は20cm、重量は300㎏。アーム部が50㎏、基部が250㎏(写真:新エネルギー・産業技術総合開発機構)
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アームの関節を上下左右に曲げられるため、障害物を回避できる(写真:新エネルギー・産業技術総合開発機構)
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アームの関節の配置図。二重丸の記号が上下に動く関節、ひし形の記号が左右に動く関節。右から3つ目の左右に動く関節(ひし形)を曲げると、左側に最大4m、右側に最大4mの長さになる。配置図は、開発に携わった東工大の遠藤玄准教授らが電気工学などの国際学会IEEEに発表した論文(G. Endo, A. Horigome and A. Takata, Super Dragon: A 10-m-Long-Coupled Tendon-Driven Articulated Manipulator, IEEE Robotics and Automation Letters, Vol. 4, Issue 2, pp. 934 - 941, 2019)に掲載したもの(資料:IEEE)
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 ロボットアームの開発は、政府が2015年2月に示した「ロボット新戦略」に基づいて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が15年度から進めている「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」プロジェクトの一環。

 同プロジェクトの革新的ロボット要素技術分野の受託研究として、18年9月に全長10mの超長尺多関節ロボットアームを開発し、その後の実験を通じて10kgの重量物を保持できることを実証した。

アームの手先で重さ10㎏の物体を保持できる。連結部に左右に動く関節(左手)と上下に動く関節(右手)を設けている(写真:新エネルギー・産業技術総合開発機構)
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