NTT西日本は4月1日、ドローン(小型無人航空機)や人工知能(AI)を使って橋や法面などのインフラ構造物を低コストで点検する新会社「ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、大阪市)」を立ち上げた。自治体や電力・ガスなどのインフラ管理者の他、点検業務の委託を受けた建設コンサルタント会社に向けてサービスを展開する。

 年間数兆円と言われるインフラメンテナンス市場を巡っては、ソフトバンクやKDDIといった大手通信事業者もドローンやAIを使った点検サービスを開始すると表明。自社の通信網や、基地局の点検などで得たノウハウを活用する考えだ。国土交通省が2019年2月に改定した道路インフラの定期点検要領でドローン利用などを条件付きで認めたことなども相まって、参入企業が相次いでいる。

ジャパン・インフラ・ウェイマークはNTT西日本の100%子会社として設立。NTT西日本は、これまでドローンを使った太陽光パネルの点検や、画像認識AIを使った道路の路面変状の診断サービスなどに取り組んできた(資料:NTT西日本)
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 JIWは、点検計画の作成からドローンの飛行許可の申請、点検後の結果整理まで一貫して引き受ける。将来は、点検にかかるコストを現状より50~90%削減することを目指す。同社の柴田巧社長は、「鉄塔や橋に敷設した通信管路などNTT西日本が管理するインフラは30府県に及ぶ。これまでの点検で培ったノウハウを生かして、コストの高さや人手不足に悩む自治体やインフラ管理者をサポートしたい」と意気込む。

 大幅なコストダウンを実現するために同社が活用するのが、NTTグループのNTTコムウェアが開発した画像認識AIの「Deeptector」だ。腐食や亀裂を自動で発見できるように、約2万7000橋に設置した通信管路の点検結果などを使って損傷パターンをAIに学習させた。まだ精度が十分ではないので、当面は点検を担当する自社の技術者の補助にとどめるが、業務を通じて点検データを集めてAIの精度向上を図る。

JIWのサービス内容。ドローンの撮影データから作成した構造物の3次元モデルを使って遠隔地から点検できる(資料:NTT西日本)
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