半自動制御が可能なICT建設機械を駆使して風化した古墳を復元する、全国で初めてとみられる工事が、兵庫県加西市の笹塚古墳を舞台に進んでいる。国土交通省が推進するi-Constructionの遺跡版、いわば「i-Cofun(コフン)」の模様を紹介する。

笹塚古墳の整備工事の様子。ドローンで撮影した(写真:征和建設)
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 兵庫県加西市の住宅街に位置する全長43.5mの笹塚古墳は、「帆立貝式古墳」と呼ぶ珍しい形式だ。古墳の代表的な形式として知られる前方後円墳に比べると、小さく短い前方部を持ち、その名の通りホタテ貝のような平面形状が特徴。5世紀前葉から中葉に造られた。内部には埋葬施設として竪穴式石室がある。笹塚古墳は市内の「玉丘古墳群」の一部として、1978年に国指定史跡となった。

 笹塚古墳では墳丘上に樹木が生い茂り、採土や自然浸食で崩壊が進んでいた。そこで加西市教育委員会は2016年、「史跡玉丘古墳群整備(修復)基本計画」を作成。18年には、風化した箇所に盛り土をして復元する「史跡玉丘古墳群(笹塚古墳)整備工事」を発注した。

施工前の笹塚古墳の様子。樹木が生い茂り、崩壊が進んでいた(資料:加西市教育委員会)
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樹木の伐採後の笹塚古墳。原形をとどめていない(写真:征和建設)
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 設計は空間文化開発機構(大阪市)。工事は加西市の小岩斫(けん)業が2200万円で落札した。工期は18年9月から19年2月までだ。

 小岩斫業と付き合いのあった征和建設(兵庫県姫路市)が協力会社として、ICT建機の導入を担った。ドローン測量やICT土工を得意とする同社の橋本征和社長は「遺跡を傷つけず、かつ効率的に施工できないかと考え提案した」と話す。

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