産業技術総合研究所は国土技術政策総合研究所と共同で、土石流の発生をAI(人工知能)によって確実に検知するシステムを開発した。市販の汎用部品を組み合わせて作製した安価な無線センサーを、一定の間隔を空けて複数台配置。面的に得られる振動波形データから、本当の土石流のみを検知する。

AIによる土石流検知センサーシステムのイメージ(資料:産業技術総合研究所)
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 土石流が頻発する鹿児島県の桜島で約1カ月間、振動波形データを収集し、質の高い学習データを生成して開発した。桜島の実データを用いて解析の妥当性を検証したところ、誤警報なしで、全ての土石流を検知する見込みを得た。

 複数のセンサーで得る様々な振動データから土石流の振動だけを検知するまでには、大きく2つの段階を踏む。

AIによる土石流検知の流れ(資料:産業技術総合研究所)
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 まず、データをあらかじめ絞り込み、計算に使用するコンピューターのCPUへの負担を軽減するため、「異常度計算部」で土石流の可能性があるデータと、それ以外のデータに振り分ける。

 具体的には、それぞれのセンサーで5分間の振動波形ごとに異常度を計算する。あるセンサーの近くで重機が動いたり、人が歩いたりすることによる振動の検知を防ぐため、全てのセンサーが異常を示した時を土石流の疑いがある「異常候補」とする。

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