コニカミノルタは、プレストレスト・コンクリート(PC)橋の内部鋼材の破断を検知する非破壊検査ソリューション「SenrigaN(せんりがん)」で、社会インフラの維持管理市場への参入を目指す。ソリューションの核となるのは、PC鋼材に磁場をかけると破断箇所で磁力が急に減衰する現象を捉える独自技術「磁気ストリーム法」だ。

 磁気ストリーム法の原理はこうだ。橋桁の下面や側面に特殊な磁石を当て、コンクリート内部のPC鋼材に磁場をかける。鋼材が破断していない場合、磁力は磁石からの距離に比例して弱まっていくが、破断している場合はその地点を境に急減する。このような磁力の変化を、計測装置に仕込んだ3軸磁気センサーで捉え、破断箇所を特定する。

磁気ストリーム法の原理(資料:コニカミノルタ)
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PC橋の構造と劣化要因(資料:コニカミノルタ)
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 PC鋼材が元々帯びている磁場や地球の磁場が計測結果に影響を及ぼさないよう、磁石で磁場をかけて計測したデータと、磁場をかけない状態で計測したデータの差分を取って、磁石による成分だけを抽出する仕組みだ。

 計測装置のサイズは長さ95cm、幅20cm、厚さ8.5cm。重量約3kgと軽量なので、1人でも容易に扱える。桁の下面や側面に装置を当てて本体のスイッチを押すと、合計10個の3軸磁気センサーが桁を自動でスキャンする。磁石の重量は2.3kgだ。

 1回の測定にかかる時間はわずか30秒ほど。スキャンが終わると、すぐさまデータをクラウドにアップロードし、独自のアルゴリズム(処理方法)で解析。リアルタイムに破断位置の特定が可能だ。結果はタブレット端末で確認できる。定期点検の際に、検査員が近接目視のついでに測定するような使い方を想定している。環境が整っていれば、コンクリートのかぶり厚さが30cm程度あっても破断の検知が可能だ。

計測結果の例。紫色の波形が破断した鋼材、オレンジが健全な鋼材の波形だ。破断した鋼材の波形は、グラフの中央部で急減している。グラフの縦軸は磁束密度(単位はnT、ナノテスラ)、横軸は位置(資料:コニカミノルタ)
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ポストテンション方式のPC桁を計測する様子。計測装置は市販のモバイルバッテリーで駆動する。モバイル通信ユニットを内蔵しており、計測するとすぐにデータをクラウドへアップロードできる(写真:コニカミノルタ)
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