岐阜県各務原市は木曽川に架かる各務原大橋で、5年に1回の定期点検に全国で初めてドローンなどのロボットを活用する。ロボットによる点検を近接目視の代わりとすることは国土交通省が認めていないため、事前の準備段階で利用して点検を効率化する。

岐阜県各務原市の各務原大橋(写真:岐阜大学)
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橋梁の点検に使用するドローン(写真:岐阜大学)
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 道路法に基づく定期点検では通常、点検員が近接目視でひび割れを確認し、チョークで印を付けてから写真撮影。その写真を基にひび割れの位置や大きさをスケッチして損傷図を作成する。高さ10m、橋長600mもある各務原大橋のような大規模な橋梁では、点検員が橋梁点検車に乗って橋に近づかなければならない。

 このような手間や費用を軽減するためにロボットの活用が期待されているが、国交省は現段階で、橋梁点検への適用に慎重な姿勢を崩していない。ロボットが撮影した写真だけでは損傷を正確に識別できないとの考えだ。近接目視の箇所を事前に絞り込む「スクリーニング」にロボットを利用することも認めていない。あくまで全ての箇所を点検員が直接、近づいて見ることを必須とする。

 こうした制約のなか、各務原大橋では「事前準備」としてロボットを利用することにした。ロボットが撮影した写真を見て、点検員が事前におおよその損傷図を作成。その後で点検車に乗ってひと通り近接目視で点検する。

 点検員の作業はひび割れの有無や状態が事前に作成した損傷図の通りかどうかを確認するだけになる。チョーキングや撮影の手間が省けるため、点検車を使う日数を10日から4日に、費用を3000万円から2400万円に削減できる。

 国交省も、点検員が全ての箇所を近接目視で確認するのであれば問題ないとして、ロボットの利用を認めた。

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