突然ですが、あなたは「ZEH」の読み方が分かりますか。「ゼフ?」「ジーフ?」。いえ、答えは「ゼッチ」です。造語なので、読めなかった方も恥ずかしくはありません。では、その意味は分かりますか。

(写真:左から安川 千秋、日経アーキテクチュア、生田 将人)
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 日経アーキテクチュア2019年6月13日号は、四半期に一度の住宅特集号。今回のテーマは「ZEH時代の省エネ攻略法」です。

 ZEHの意味をスラスラと言える人は、かなり省エネ設計に詳しい人でしょう。

 ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことです。ZEHを推進する経済産業省資源エネルギー庁のウェブサイトでは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と説明されています。経産省が2015年12月に公表した「ZEHロードマップ」で、ZEHの統一的な定義を定め、2020年の普及目標を具体化しました。

〔図1〕新築注文住宅の15%がZEHシリーズ
2016年から17年にかけて住宅の年間着工戸数は減ったが、ZEH、Nearly ZEHの占める割合は増加(資料:経済産業省、環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会2017、2018」を基に日経アーキテクチュア作成)
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 聞き慣れない言葉を特集のタイトルに使うかどうかは、編集者としていつも迷うところです。これまでの省エネ住宅の記事では、ZEHという言葉を積極的に使ってこなかったのですが、上のグラフのようにZEHの社会的存在感が徐々に増してきた今、これを「1つの指標」として今後の省エネ住宅について考えてみることにしました。ですので、タイトルは「ZEHのススメ」ではなく、「ZEH時代の省エネ攻略法」としました。

 特集の前書きを引用します。

 「住宅のエネルギー収支を実質ゼロにする『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』。政府が普及を進めるなか、大手住宅会社を中心に建設棟数が増加。設計の選択肢も増えてきた。2019年5月に成立した改正建築物省エネ法では、建築士による省エネ性能の説明義務化が盛り込まれた。ワンランク上の性能を住宅設計の売りにすることが、これからの生き残りのカギとなる。戸建て住宅、集合住宅の先進事例を紹介するとともに、ZEHを巡る動向を解説する」

 特集では、新築、中古戸建てのリノベーション、分譲マンションのそれぞれについて、先端事例と動向解説を掲載しています。

目次

 「ZEH」およびその関連シリーズである「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」「ZEH+(ゼッチプラス)」「ZEH-M(ゼッチエム)」といった指標(舌をかみそう……)の具体的内容については、ここでは書き切れないので特集をご覧ください。それを目指すか、それを超えるか。あるいは、別の形の省エネ住宅を目指すか。いずれにしても、ZEHは今後の住宅設計の1つの指標として、建て主との打ち合わせで知っておくべき「必須用語」であることは間違いありません。

 そして次号(2019年7月11日号)の「新・エコハウスのウソ」では、著者の前真之・東京大学准教授が「ネット(net=正味の、差し引き)・ゼロ」と「リアル・ゼロ」の違いについて詳述します。そちらも乞うご期待。

出典:日経アーキテクチュア、2019年6月13日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。