「平成」という時代の閉幕まで残り3カ月を切りました。日経アーキテクチュア2019年2月14日号の特集は「検証 平成建築史 前編」です。平成の時代に本誌が報じた主要なニュースの意味を、2号連続で読み解く大特集です。

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 特集の前書きを引用します。

 「この30年、建築界はバブル崩壊や度重なる大災害、重大事故、人口減少などに苦しんだ。しかし、そうした葛藤の中にこそ、次代の変革のカギはある。平成の幕開けと同時期に頭角を現し、土木や災害復興にも関わってきた内藤廣氏とともに、平成の教訓を読み解く」

 今回の特集では各検証記事の間に、平成を振り返るナビゲーター役として、建築家で東京大学名誉教授の内藤廣氏が何度か登場します。

 内藤氏に白羽の矢を立てた理由は、

  • 出世作である「海の博物館 収蔵庫」が1989年(平成元年)竣工で、建築家としての活動の大半が平成の30年と重なる
  • バブル期に一世を風靡(ふうび)した「ポストモダン」と距離を置いていた
  • 2001年から東京大学で土木分野の教壇に立つようになり、建築と土木の両方に精通している
  • 平成後期の大きなトピックスである東日本大震災の復興と、新国立競技場コンペの審査(当初案の選定)に深く関わっている

……といろいろあります。読者の皆さんも、「内藤さんなら」と納得してもらえるのではないでしょうか。

内藤 廣(ないとう ひろし)
1950年神奈川県生まれ。74年早稲田大学理工学部建築学科卒業。76年同大学大学院にて吉阪隆正に師事、修了。スペイン・マドリードのフェルナンド・イゲーラス建築設計事務所、菊竹清訓建築設計事務所を経て、81年内藤廣建築設計事務所設立。2001年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻助教授、02-11年同教授。10-11年同大学副学長。11年同大学名誉教授。06年から東京都景観審議会計画部会専門委員。93年日本建築学会賞、2000年村野藤吾賞、01年毎日芸術賞、06年および07年土木学会デザイン賞最優秀賞、08年経済産業大臣賞を受賞(写真:山田 愼二)
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 今回は筆者が「この企画はぜひ内藤さんにナビゲーター役を」と直談判し、引き受けてもらいました。実は、これまでにもシリーズものの企画を内藤氏に依頼したことがあるのですが、多忙を理由に(実際に超多忙なのですが)、引き受けてもらえませんでした。そんなこともあり、内藤氏が承諾してくれた時点で「この企画、もらった!」と思ったものの、実際にはその後が大変でした。

 インタビューのための資料づくりにも苦労しましたし、何より平成の主なニュースを検証するメインの記事づくりが大変でした。特集には、内藤氏のほかに、建築家の槇文彦氏や安藤忠雄氏、構造研究者の岡田恒男氏、経済学者の竹中平蔵氏といったそうそうたる面々が登場します。

槇総合計画事務所代表の槇文彦氏(写真:日経アーキテクチュア)
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安藤忠雄建築研究所代表の安藤忠雄氏(写真:生田 将人)
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日本建築防災協会顧問の岡田恒男氏(写真:池谷 和浩)
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東洋大学教授の竹中平蔵氏(写真:的野 弘路)
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 どんな内容かは、ここでさわりを短く書くよりも、各記事をじっくり読んでみてください。

目次

 ここでは、特集の雰囲気を知ってもらうために、内藤氏へのインタビューの冒頭部をお見せします。