ニュータイプの影で「消える建築タイプ」も

 今回の特集は「ハブ(結節点)型図書館」だけではなく、「鉄道高架下の開発」や「自動搬送式納骨堂」も取り上げています。そして、台頭するニュータイプ建築の一方で、消えつつある建築タイプも紹介しています。「回転展望台はなぜなくなる」というコラムです。これは私の建築巡礼のパートナーである建築ジャーナリストの磯達雄氏が寄稿してくれました。回転展望台のほか、青少年野外活動センターなどを取り上げています。

 この記事を「なるほど」「さすが磯さん」と感心しながら読んでいたとき、私の頭にも「今後なくなるかもしれない建築タイプ」が1つ浮かびました。それは地方都市の「歴史館」や「名士の記念館」です。

 建築巡礼の取材では磯氏と資料探索のためにそうした施設に必ず行きますが、入館すると来場者が我々2人だけというケースがほとんど。今後ああいったものを建て替えたり、新築したりするときには、展示機能は最小限に抑えて、主用途は「ハブ型図書館」にするのがよいのではないかと思います。税金の使い方としてその方が有効であろうと。

 その延長でいうと、今号のトピックス「五輪施設、短工期の技競う」に関連して、1つ提案があります。2020年東京オリンピック・パラリンピックの後、どこかに「五輪記念館」のようなものをつくる計画が持ち上がるのではないかと思うのですが、そうした施設もぜひ「ハブ型図書館」主体にしてほしいと。「世界のスポーツ文化と多様性社会について知る図書館」、行ってみたいと思いませんか。

出典:日経アーキテクチュア、2018年8月23日号
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