「富岡倉庫」では最先端のCFRP

 一方、特集のなかで隈氏を取り上げたのは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に関するページ「あやとり思わす繊細な補強 JIS化で補強材利用に弾み」です。

 CFRPは、きびそとは対照的な最先端素材。これを使用するのは、富岡市役所の目の前にある「富岡倉庫」の耐震改修です。現在、富岡市は3棟が連なる富岡倉庫の耐震改修を進めており、いずれも隈氏が設計を担当しています。3棟のうち初めに着工した3号倉庫で、この木造建築の補強材として、小松精練が開発したCFRPの製品、「カボコーマ・ストランドロッド」を採用しました。

5月時点の3号倉庫(写真:日経アーキテクチュア)
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3号倉庫の改修後南北断面図。鉄骨のラーメン構造を既存の倉庫に入れ込む計画だ。上部にクロスする形で新設するブレースがカボコーマ・ストランドロッド。下は基礎梁、柱はムクの鉄骨柱で補強する(資料:隈研吾建築都市設計事務所)
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❶炭素繊維端部
炭素繊維端部のサンプル。左はチタンのパイプで覆って、右はアクリル樹脂で覆って、それぞれストランドロッドとチタンのねじを固定した(写真:隈研吾建築都市設計事務所)
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❷チタンシート接合部
チタンシートを使って、炭素繊維の端部を梁に接合する部分のイメージ。写真は、以前の改修で使ったモックアップで、富岡倉庫はこれと似た形になる予定だ(写真:日経アーキテクチュア)
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 特集の最後のパート「先駆者が語る『突破』の糸口」では、隈氏の“素材観”を掲載しています。大サービスで談話を全文引用します。これを読むと、隈氏が東京だけでなく、地方都市のプロジェクトでも引っ張りだこの理由が分かるような気がします。