良い音で聞くための条件は耳に合ったイヤピース

 装着感を比較してみよう。まず、AirPodsから。さすがだと思う。AirPodsの形状は、有線イヤホンの「EarPods」を踏襲しているのだが、これはアップルのインダストリアルデザイナーが、約600人以上を対象に124種類以上のプロトタイプをテストして完成させた形状だそうだ。大抵の人にとって、ブレのない安定的な周波数特性で耳の奥に音が届く形状がこれなのであろう。

AirPodsは、どのような形の耳でも、一定の音質で音楽を楽しめる造形を実現している
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 一方のAir-Xは、シリコン製のイヤピースが付いたカナル型と呼ばれるタイプ。この形式は、イヤピースのフィット具合が周波数特性に大きく影響する。例えば、自分の耳の形状に合わず密着度が低いイヤピースだと、中低域が足りずスカスカな音質でチープに感じる。

 あるいは、圧迫感を感じるほどに耳穴に無理にねじ込むような状態だと、高域が減衰し、こもり気味の音になりやすい。カナル型のイヤホンは、自分の耳に合ったイヤピースの選択が良い音で聞くための条件でもある。

 もう1つ、遮蔽性が高いのもカナル型の利点だ。外界の音の侵入が激しいAirPodsは、地下鉄の車内ではまともに音楽を聞くことができない。

カナル型イヤホンは、自分の耳に合ったイヤピースを装着しないと本来の音を楽しむことはできない
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両方の良いところを足して2で割ったイヤホンが欲しい

 気になるAirPodsとAir-Xの音質評価だが、こればかりは各人の好みや耳の形などの条件が影響し、評価軸を一定にするのは難しい。従って、以下の評価は、筆者の主観であることを前提にお読みいただきたい。

 AirPodsの音は、ふくよかでリッチ感を強調したチューニングがされている。言い換えれば、中・低音がブーミー(強調されている)なことが特徴で、これを好きか否かで評価が分かれる。フラットな特性を好む筆者は、好きな部類ではない。ただ、音質に対する不満と利便性を比べたら利便性がはるかに勝っているので、発売から2年間、肌身離さず使い続けている。

 一方のAir-Xは、どうだろうか。Air-Xの国内販売を手掛けるソフトバンクコマース&サービスの中村拓哉氏は、「解像度の高さ、クリアな低音には自信がある」という。

ソフトバンクコマース&サービス コンシューマ事業本部商品本部商品第1統括部 ME部 中村拓哉氏。自身も本業とは別に、ヒップホップなどの楽曲を制作・提供する音楽プロデューサーとしても活動しており、イヤホンの音質に対するこだわりは強い
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