スマートフォンの周辺機器の中で、今最も関心を集めているものの1つが完全ワイヤレスイヤホン(TWS)だ。TWS向けの新技術のうち、筆者が注目するのは米クアルコム(Qualcomm)の「TWS Plus」。今回は、TWS Plusをいち早く採用したワイヤレスイヤホンの新製品「Mavin Air-X(マービン エアテン)」を取り上げる。Mavin Air-Xを含むTWS製品の最大のライバルとも言える米アップル(Apple)のAirPodsとの比較も実施する。今回の取材で分かったAirPodsの通信方式の秘密にも迫ってみたい。

TWS Plus技術と最新Bluetooth音声処理用SoC「QCC3026」を搭載したMavin Air-X。写真左上のケースは充電器も兼ねている(筆者撮影、以下同じ)
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 AirPodsに似て丸みを帯びたケースの蓋を開けると米マービン(Mavin)の完全ワイヤレスイヤホン、Mavin Air-X(以下、Air-X)が並んでいる。このAir-Xも最新のクアルコム製SoC「Snapdragon 845」を搭載したスマホ(ファームウエア対応が必要)であれば、TWS Plusの機能をフルに利用することができる。TWS Plusの各種機能は前回の記事をお読みいただきたい。ここでは、Air-Xの使い勝手や音質をAirPodsと比較しながら解説する。

操作性ではAir-Xが一歩リード

 使い始めて2年のAirPodsだが、とても満足している。ただ、1つ不満な点がある。AirPodsだけで音量調整ができないことだ。Siriを使えば音声で調整できるのだが、電車内など公共の場で「ヘイ、シリ! 音量を下げて」と振る舞えるほどに筆者は厚顔ではない。

 カバンやポケットからiPhoneを取り出すか、Apple Watchに手を伸ばすかになるわけだが、そのときの体勢や周囲の状況によっては、ストレスを感じることがある。Air-Xでうれしいのは、イヤホンのボタン操作でも音量調整が可能な点だ。操作方法の選択肢が多いほうが、様々なシチュエーションにおいてストレスのない方法を選べるのでうれしい。

 イヤホン上のボタンというと豆粒のような小さなボタンを連想するかもしれないが、Air-X本体の背面全体がボタンになっているので、操作自体は滞りなくできる。むしろ、Apple Watchのディスプレーに表示される「+」「−」の小さな仮想ボタンを操作するほうがストレスがたまる。

イヤホンの「Mavin」のロゴの部分がボタンになっている。シングルクリックやダブルクリックを使い分けて操作する
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 上記に加え、Air-Xは、再生、停止、次への曲送り、前の曲への戻り、受話、Siriの起動の全てが背面ボタンで操作できる。AirPodsは、左右のイヤホンのダブルタップに対し、それぞれ2種類の操作しか割り当てられない。このため、総合的な使い勝手の面でもAir-Xのほうが利便性が高い。

 バッテリーの持ちもAir-Xは、イヤホンのみで10時間(AirPodsは5時間)、充電ケース併用で合計50時間(AirPodsは24時間)を実現している。ただし、AirPodsの2倍の性能を誇る分、充電ケースは一回り大きい。まあ、容積で2倍にまで肥大化していない分、2年前に登場したAirPodsに比べ、バッテリー性能の進化が現れているのだろうか。

充電ケースはAir-X(左)のほうが一回り大きい。しかし、その程度の容積アップでバッテリー持続時間はAirPodsの2倍を確保
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