「4号建築物についても、それ以外の建築物と同様に、常に構造計算を行うべきことを法的に義務付けるべきである」「仕様規定に適合すれば構造計算が免除される方法を残すのであれば、4号建築物に適用される仕様規定の定める技術的基準を全面的に改め、構造計算を行った場合と同等以上の構造安全性を確保できるようにすべきである」――。

 日本弁護士連合会(日弁連)は、2018年3月15日に取りまとめた「4号建築物に対する法規制の是正を求める意見書」でこのように訴えた。日弁連では過去に建基法に対する様々な意見書を作成しているが、4号建築物に特化したのはこれが初めてになる。

「4号建築物に対する法規制の是正を求める意見書」の表紙(出所:日本弁護士連合会)
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 この意見書は、17年4月8日に日弁連が企画・主催したシンポジウム「木造戸建住宅の耐震性は十分か?熊本地震を契機として4号建築物の耐震基準を考える」で発表した提言をベースにつくられたものだ。このシンポジウムの様子は、日経アーキテクチュアウェブ(現・日経×TECH)で3回にわたって連載し、大きな反響を得た。

2017年4月8日に開催された日本弁護士連合会シンポジウム「木造戸建住宅の耐震性は十分か?」でパネルディスカッションを行っている様子。登壇者の右から2番目が神崎哲弁護士(撮影:日経ホームビルダー)
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 意見書を作成した経緯について、日弁連消費者問題対策委員会土地・住宅部会幹事を務める神崎哲弁護士は、「シンポジウムでパネリストと議論を行い、4号建築物、とりわけ木造在来軸組み工法の建築物に対する法規制が不十分かつ、不適正なものにとどまっている実態が浮き彫りになった。我々の提言が的外れでないことも確信したため、部会内の意見ではなく日弁連の意見として社会に提言し、制度改革に向けて動いていくべきだと考えた」と話す。

 意見書では、建基法が4号建築物の構造計算を免除するだけでなく、建築確認や検査手続きで構造審査の免除ないし省略を認める、いわゆる4号特例が、欠陥住宅被害が生み出される温床になっていると指摘。「建築確認手続や中間検査・完了検査手続において例外なく構造安全性の審査や検査を行うものとし、(中略)建築確認申請時に構造関係の設計図書の添付を義務付けるべきである」とも訴えている。

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