日経アーキテクチュアは、東京の建築物や市街地再開発など大規模開発プロジェクトの調査を5年間継続してきた。毎年の調査データを用い、開発動向の様々な読み取り方ができる。その一端として、ここでは、主要な特別区ごとにプロジェクトの規模ランキングをつくってみた。

 港区で進行中の大規模開発プロジェクトが急増し、今回の2018年版の調査では、開発面積の総和(総延べ面積)が1年前の前回調査と比較して1.8倍となっている。

 といっても、いきなり明らかになったわけではなく、既に注目されていた地区の幾つかで、昨年のうちに事業が本格始動した結果の数字だ。前後して国が、そうした地区の事業者のまとめた概要を、国家戦略特区の都市再生プロジェクトとして公表している。

 日経アーキテクチュアが、東京の大規模開発プロジェクトの調査を始めて5年目。毎年、ムックの「東京大改造マップ」と、ディスク商品の「開発プロジェクトデータ集」を発行し、人気シリーズとなっている。今年1月末には第5弾のムック、2月末には開発プロジェクトデータ集を発売したところだ。

 本調査は、東京23区で進行中の延べ面積1万m2以上の建築物、市街地再開発といった大規模開発プロジェクトを扱っている(現在は横浜市も対象)。中高層建築物の建設時に義務付けられている標識設置の届け出が、都に提出されたところから対象となる。今回は、2017年11月末の調査時点で、18年以降の完成予定と記されている全件をリストアップした。

「東京大改造マップ2018-20XX」の誌面より。東京23区および横浜市で進む大規模開発プロジェクト412件のうち100件程度に関し、計画内容や完成予想図などを紹介している。なお、設計事務所や建設会社に対する調査も別途実施しているため、ムック中で紹介しているプロジェクトの面積や竣工・完成年月は、今回のランキングに用いている届け出の情報とは異なる場合がある(資料:日経アーキテクチュア)
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「東京大改造マップ2018-20XX」の誌面より。主要8エリアに関し、大規模開発プロジェクトの位置などを記したオリジナルマップを掲載。また23区全体の大判マップをとじ込み付録としている(資料:日経アーキテクチュア、地図制作:ユニオンマップ)
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港区で進行中の大規模開発は8割増

 近年の推移として、東京23区内では1年間に数十件~100件程度の大規模開発プロジェクトが完成し、その間に新たに同程度の届け出がある。このため、「進行中」と位置付けられる大規模開発プロジェクトの総数は上下動が少なく、毎年調査で300件強という水準だった。ところが、今回の2018年版では335件にまで膨れ上がった。冒頭のように、進行中の開発総面積が例年トップの港区内の動きが目覚ましい。件数で51件から60件に増加し、総面積で80.5%増となっている。

 開発総面積では例年、港区、そして中央区、千代田区、江東区が4強。今回、件数では39件から36件に減少している中央区内でも、総面積は30.7%増となっている。ただし、千代田区内では増減なし、また江東区内では微減という結果だった。これら主要な特別区で、どんな大規模開発が進んでいるのか。2020年までの完成予定と、それ以降に分けて延べ面積ランキングにしてみた。

「港区」大規模開発ランキング

 港区内の開発動向には、虎ノ門エリアをけん引する森ビル、浜松町・竹芝エリアをけん引するJR東日本の関わる案件が、大きく影響している。届け出は一体ながら、複数棟からなるプロジェクトも多い。

 特に今回から総面積が明らかになった「虎ノ門・麻布台地区再開発」(案件としては前回から)は超高層3棟を含み、東京全体の規模ランキングでも1位となるものだ。森ビルの関わる港区内の大規模開発には、まだ面積の記されていない「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」「六本木5丁目西地区再開発」も控える。

 新たにリストに入ったのは「芝浦1丁目計画」「三田3・4丁目地区再開発」など。前者は、建築家の槇文彦氏がツインタワーを手掛けるプロジェクトとして発表され、話題を呼んだ。

港区で進行中の大規模開発の延べ面積ランキング。62件が進行中で、前回調査比で延べ面積は80.5%増(資料:日経アーキテクチュア)
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開発データ集(ディスク商品)に収録の全プロジェクトリスト(Excelファイル)には位置情報(緯度・経度)も入れている。これを用い、オープンストリートマップ(オープンデータの地図)などの上にエリアの状況をビジュアル化できる。図は虎ノ門・浜松町エリアを中心に表示した場合(資料:日経アーキテクチュア) (c) OpenStreetMap contributors
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目下のランキングで都内一の開発規模となる「虎ノ門・麻布台地区再開発」の予定される一帯(写真:日経アーキテクチュア)
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