2017年秋にリリースされたiOS 11でiPadのマルチタスク機能が大幅に強化された。と言うものの、パソコンのマルチタスクに慣れていると「これがマルチタスク?」と感じるのも事実。筆者も当時は違和感を覚えた。結局、今までマルチタスク機能を利用せずにこれまで通りの使い方をしていた。

 ところが、最近になって積極的にiPadのマルチタスク機能を使ってみると、意外に便利で効率が上がった作業もあった。リリース当初から何が変わったのか、筆者のiPadでのマルチタスク機能の活用法と共にお伝えしたい。

(写真:伊藤朝輝、以下同じ)
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画面を分割して2つのアプリを同時操作

 iPadのマルチタスクは、画面を分割し2つのアプリを同時に操作する機能である。iOS 9から画面を分割して2つのアプリを同時に表示する「Split View」や「Slide Over」といったマルチタスク機能が利用できた。iOS 11からは新デザインの「Dock」と「ドラッグ・アンド・ドロップ」機能がサポートされた。これらがマルチタスク機能の強化点である。まずはこれらの使い方を確認しておこう。

 アプリを使っている状態でも別のアプリを表示するには、画面を下から小さくフリックしてDockを表示する。大きくフリックするとアプリの切り替え画面「Appスイッチャー」が表示されるので注意しよう。Dockから起動したい2つ目のアプリをドラッグし、そのまま画面の左右どちらかの端に付けて指を離す。すると画面が左右に分割されて2つのアプリが同時に表示される。これがSplit Viewだ。

「Split View」表示にするには、Dockからアイコンを画面にドラッグして画面の端に付けて指を離す(赤い矢印は筆者が加えた)
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Split Viewで左に「メール」アプリ、右に「ファイル」アプリの画面を表示した様子。仕切り線の中央をスライドで動かし、左右の比率を変更できる(赤い矢印は筆者が加えた)
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 アプリの間にある仕切り線は、中央にあるつまみ部分を左右にスライドすると移動でき、画面分割のサイズを変更できる。仕切り線を画面の左右どちらかの端に寄せるとSplit Viewは終了し、1つのアプリだけの画面となる。またSplit Viewの片側に別のアプリをドラッグ・アンド・ドロップするとアプリの組み合わせを変更できる。これもよく使うので覚えておきたい。

 2つ目のアプリを画面にドラッグ・アンド・ドロップする際、画面の端に付けずに指を離すと2つ目のアプリが画面から浮いたウインドウとして表示される。これがSlide Overである。Slide Overでは、後述するアプリ間でのファイルのドラッグ・アンド・ドロップ操作ができない。2つのアプリ間で情報をやり取りするにはSplit Viewのほうが適している。

「Slide Over」表示にするには、2つ目のアプリを画面にドラッグし、端に付けずに指を離す(赤い矢印は筆者が加えた)
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Slide Overで2つのアプリの画面を表示した様子。2つ目のアプリの画面は浮いた状態になる
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 Slide Overは別のアプリの情報を一時的に参照するのに向いている。またSplit Viewの状態からでも呼び出せる。Split Viewをメインにして、Slide Overはその補助として使うとよいだろう。

 2つ目のアプリがDockに登録されていない場合は、まずそのアプリを起動しておこう。するとDockの右端に表示されるので上記の方法でドラッグ・アンド・ドロップできるようになる。ほかの方法もあるが、これが最も簡単だ。