位置情報ゲームの人気で大いに注目を浴びたAR(拡張現実)だが、本格展開にはハードウエアを中心に少なからず課題があった。だがここ最近の動きを見ていると、そうしたハード面での環境改善が進むことで、ゲーム以外へのAR活用に向けた道筋も広がりつつあるように見える。

盛り上がりの割に広がらないAR

 米ナイアンティック(Niantic)の「ポケモンGO(Pokémon GO)」がヒットして以降、関心が高まっているAR。米アップル(Apple)が「ARKit」、米グーグル(Google)が「ARCore」を提供するなどして、ARを活用したスマートフォン向けアプリを開発しやすくする仕組みも整備されてきたことから、ARの活用に向けた動きが活発になっているようだ。

 実際、2019年10月15〜18日に開催された「CEATEC JAPAN」では、ARを活用したサービスやソリューションに関する展示が注目の的だった。そのことを象徴していたのが、KDDIのブースで展示されていたアトラクション「XR Door」である。

 これはスマートフォンで専用のARマーカーを読み込み、設置されたドアをくぐると、お花畑やスタジアムなど様々な空間を体験できるというもの。複数の人と同じ空間に入り込んで共通の体験ができる他、同社が秋冬商戦に向け投入予定の韓国サムスン電子製折り畳みスマートフォン「Galaxy Fold」を用いた、未来感あふれる印象を与える演出で注目を集めていたようだ。

2019年10月15〜18日に開催された「CEATEC JAPAN」のKDDIブースで実施されていた「XR Door」。「Galaxy Fold」を用いてドアをくぐることで、様々な空間を体験できるというもの。写真は同イベントより(筆者撮影)
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 とはいうものの、市場にARを活用したアプリがあふれて多くの人が利用するようになっているかというと、そうではないのが現状である。多くの人が使うARアプリは、まだ位置情報ゲームや「SNOW」などの写真加工アプリなどに限定されている。それ以外は実験的なアプリや、アーリーアダプターに向けたアプリが多い印象を受ける。

 その理由としては、1つにはやはりゲームとカメラに続くキラーアプリやキラーサービスを生み出せていないことがある。もう1つの理由として挙げられるのは、ハードウエア面での課題だと筆者は感じている。

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