キャラクターを召喚し“嫁”として一緒に暮らすことを目指して作られた「Gatebox」が、1年の延期を経て2019年10月11日より販売されることとなった。様々なキャラクターやVR関連の企業と提携し、Gateboxをプラットフォームとして展開する戦略が打ち出されたが、果たして成功できるだろうか。

ARやAIなどの技術を駆使し、スクリーンに投影されたキャラクターと対話などができる「Gatebox」。1年の延期を経て、ようやく販売されることとなった。写真は2019年9月14日、東京ゲームショウのGatebox社ブースにて筆者撮影
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LINE社の技術を取り入れ「俺の嫁」を実現

 好きなキャラクターと一緒に暮らせることをコンセプトに、ベンチャー企業のGatebox社が開発を進めてきた「Gatebox」。デバイス内のスクリーンに3Dのキャラクターを投影、話しかけて対話することで一緒に暮らしているような感覚を味わえる、いわば「ARバーチャルコミュニケーションデバイス」である。

 Gateboxは発表直後からそのコンセプトが注目され、「俺の嫁召喚装置」として話題となった。2016年に限定生産モデルを販売した際には、1台当たり約30万という値段ながらも300台が1カ月で完売するに至った。さらに2017年にはLINE社から出資も受け、2018年に量産型のGateboxを発売する予定であったのだが、品質向上のため販売を1年延期した。

 そして2019年10月11日、Gatebox社は満を持して量産型のGateboxを発売することとなった。同日には報道関係者向けの発表会も実施され、改めてGateboxの概要を説明するとともに、Gateboxの今後の取り組みについても説明した。

 Gatebox社のCEOである武地実氏によると、Gateboxには当初2つのコンテンツが用意されるという。1つは同社が以前より開発を進めていた「逢妻(あずま)ヒカリ」。そしてもう1つは後述する「Gatebox Video」だ。

 逢妻ヒカリは「癒しの花嫁」をコンセプトとしたキャラクターで、一緒に過ごしながらコミュニケーションができる。コミュニケーションを進めるうちに、利用者により好意を寄せるよう変化していく仕組みなども用意されているという。

 逢妻ヒカリには、Gatebox社に出資しているLINE社のAI技術「LINE BRAIN」が活用されている。LINE BRAINはLINEが音声アシスタントの「Clova」などで培ったAI技術を外部の企業に提供する仕組みだ。逢妻ヒカリはLINE BRAINの技術を用いることで、話しかけられた内容に適切な答えを返すだけでなく、音声合成によるスムーズな発音で自然なコミュニケーションができるようになっている。

Gateboxのコンテンツの1つ「逢妻ヒカリ」は、「LINE BRAIN」の1機能である音声合成を用いることで、スムーズな発音を実現している。写真は2019年7月23日のLINE BRAIN事業戦略説明会より(筆者撮影)
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 それに加えて逢妻ヒカリは、外出先からLINEによるチャットで話しかけることができる他、音楽を再生したり、ニュースを伝えたりといった、スマートスピーカーのような仕組みも用意されている。これらの点から、Gatebox社がLINEの技術を積極的に取り入れてコンテンツの質や利便性を高めてきたことが分かるだろう。

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