2019年10月から消費税が増税されたのに伴い、スマートフォンによるキャッシュレス決済への関心が高まっており、各社ともに新しい取り組みを打ち出している。だが最近の取り組みを見ると、自社単独で顧客を囲い込むキャンペーンだけでなく、他社と組んでサービスの拡大や改善を進める取り組みも目立つようになってきた。なぜだろうか。

メルペイ社とPayPay社、LINE Pay社の3社は不正対策の強化で連携することを発表。3社で不正利用情報を共有するなどの取り組みを進めるとしている。写真は2019年9月18日の「MERPAY CONFERENCE 2019_SEP.」より(筆者撮影)
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ライバルとの協力を打ち出すメルペイ

 2019年10月と言えば、携帯電話業界では電気通信事業法の改正や楽天モバイルの新規参入などが話題となっている。だが世間一般ではるかに大きな話題となっているのは、同じタイミングで実施される消費税の増税だ。

 今回の消費税増税によって税率が8%から2%上がって10%となるが、新たに食品などに軽減税率が導入されるなど、従来の消費増税とは異なる仕組みも導入される。また増税による消費の冷え込みを緩和させる策として、中小の店舗でキャッシュレス決済を利用すると2〜5%のポイント還元が受けられる「キャッシュレス・消費者還元事業」を経済産業省が実施するというのも、従来にない変化と言えるだろう。

 その影響から最近、再びキャッシュレス決済、特にスマートフォンを活用したQRコード決済サービスが注目を浴びている。2019年9月中はQRコード決済サービスに関する新たな施策が、各社から相次いで発表された。

 一連の発表会では消費税増税前後に合わせたキャンペーンに関する発表が相次いだが、筆者が注目したのはそれ以外の戦略、より具体的に言うならば、パートナーシップを拡大して横の広がりを重視した取り組みが増えていることである。それを示す事例の1つが、「メルペイ」を提供するメルペイ社が2019年9月18日に実施した事業戦略発表会「MERPAY CONFERENCE 2019_SEP.」で、同様にQRコード決済を提供するライバル他社と連携する取り組みがいくつか発表されていたことだ。

 その1つはメルペイ社が、「PayPay」を提供するPayPay社や「LINE Pay」を提供するLINE Pay社と、不正利用対策の強化に関して連携するというもの。不正利用の手口や対策などの情報共有を3社で進めるのに加え、キャッシュレス推進協議会での不正利用対策についても3社で貢献を進めるとしている。

 別の事例として、メルペイ社とLINE Pay社が共同で設立した加盟店アライアンス「Mobile Payment Alliance」(MoPA)に、「au PAY」を提供するKDDIが参画すると発表したことが挙げられる。MoPAには「d払い」を提供するNTTドコモも参画しており、今後は4社の営業リソースを活用しながら、共同で加盟店開拓を推し進めるとしている。

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