「フォートナイト(Fortnite)」「Spotify」などスマートフォンで人気のアプリで、App StoreやGoogle PlayなどOS標準のプラットフォームを経由せずに課金する動きが加速している。アプリ内課金で売り上げにかかる手数料の高さに対する不満が背景にあるが、なぜ最近になって課金を避ける動きが相次いでいるのだろうか。

Google Playで配信されていない「フォートナイト」

 スマートフォンのアプリは、公式アプリストアである米アップル(Apple)のApp Storeや米グーグル(Google)のGoogle Playからダウンロードし、有料サービスを利用するための料金もアプリストア経由で支払う、というのがこれまでの常識である。だがここ最近、そうした常識を覆す動きが、アプリを提供する事業者側から出てきている。

 そのことを象徴しているのが、米エピックゲームズ(Epic Games)の人気ゲーム「フォートナイト」だ。このゲームはバトルロイヤル型のTPS(三人称視点シューティングゲーム)で、欧米を中心に社会現象となるほどの高い人気を博しているが、注目されたのはその配布方法である。

欧米を中心に人気を博している「フォートナイト」。だがAndroid版はGoogle Playではなく、自社サイトなどでの配信のみとなっている。写真は2019年4月16日の「Xperia 1」体験会より(筆者撮影)
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 iOS版は通常通りApp Storeから配信され、課金もApp Store経由となるのだが、2018年に配信開始されたAndroid版は、実はGoogle Playで配信されていない。エピックゲームズのWebサイトから同社専用のアカウントを作成した上で、パッケージをダウンロード、インストールする形となる。ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1」など一部機種には直接プリインストールされているが、Google Playから入手できないのは同じだ。

 その理由の1つとしてエピックゲームズ側が挙げているのがアプリストアの手数料の高さである。App StoreやGoogle Playで有料アプリを配信したり、アプリ内で有料アイテムなどを販売したりする場合、手数料として売り上げの30%をアプリストア側に支払う必要があるというのは以前より知られている。エピックゲームズ側はこの手数料が高すぎるとして、Google Playで配信しないと表明したのである。

 Google Playを通さないでアプリを配信するケースは過去にもいくつかある。例えば、日本では2015年に楽天が独自のアプリストア「楽天アプリ市場」を展開したことがある。だがAndroid公式ではないアプリストアで配信されるアプリにはセキュリティーの懸念などもあることから、米グーグルが撤退している中国など一部の国や地域以外で、そうした手法が成功したケースは少ない。

 エピックゲームズは、フォートナイトがPCやコンシューマーゲーム機など、先行する他のプラットフォームで絶大な人気を獲得したこともあり、自社でアプリを直接配信しても十分受け入れられる素地があると判断。Google Playを経由せず配信・課金するという選択に至ったと言えそうだ。

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