2018年に10〜20代の若年層から高い人気を獲得した中国発のショートムービー共有アプリ「TikTok(ティックトック)」。だがここ最近の動向を見ると、音楽に合わせたダンスや口パク動画という従来のTikTokのイメージから離れた内容をアピールする機会が増えており、若者向けというイメージを大きく変えようとしている様子がうかがえる。その理由はどこにあるのだろうか。

「大人」や「シニア」を狙う取り組みが急増

 TikTokは、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供している映像共有アプリ/サービスである。音楽に合わせたショートムービーを手軽に投稿できるサービスとして知られている。日本でも若年層が音楽に合わせてダンスしたり口パクで歌っているふりをしたりする動画などを多数投稿するなど、2018年に注目を集めたことは記憶に新しい人も多いだろう。

 だが最近、TikTokの取り組みに変化が見られるようになってきた。そのことを明確に示しているのが、2019年7月20日に公開されたテレビCMである。

 このテレビCMは、登場する3人がそれぞれ好みのTikTokの動画を見るという内容だ。特徴的なのは、それぞれの動画が動物、スポーツ、そして美しい風景と、3人ともバラバラであること。TikTokにはダンス動画だけでなく、より豊富な動画コンテンツが投稿されていることをアピールする狙いがあるようだ。

2019年7月20日より放映されているTikTokの新しいテレビCM「TikTok オフィスランチ篇」より。動物やスポーツなど、ダンス以外の動画も数多く投稿されていることをアピールしている
(出所:Bytedance)
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 そしてもう1つ、若年層以外をターゲットとした施策が増えているというのも、大きな変化と言える。例えば2019年5月29日から、30〜40代などの年齢層をターゲットとした月刊誌およびWebサイトである「東京カレンダー」とコラボレーションを実施。オリジナルのショートムービードラマ「東京カレンダーTikTok」を公開している。

 また2019年7月4日には、シニア層を対象にしたセミナー「オトナTikTok」というイベントを開催。TikTokに投稿する動画の撮影方法や、TikTok上で人気のあるハッシュタグに合わせて動画を投稿する「ハッシュタグチャレンジ」などに関する講習会が開かれた。このイベントから、TikTokがより高い年齢層の獲得に力を入れ始めた様子がうかがえる。

2019年7月4日には、シニア向けにTikTokの動画撮影などを学ぶセミナー「オトナTikTok」を実施。若年層以外にも利用の幅を広げようとする様子を見て取ることができる
(出所:Bytedance)
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