QRコード決済を主体としたスマートフォン決済は、2019年上半期も大きな動きが相次いで起きており、競争は過熱の一途をたどっている状況だ。この半年間におけるスマートフォン決済の動向を振り返るとともに、競争の過熱が何をもたらしているのかを追った。

今なお参入企業が相次ぎキャンペーン競争も加速

 2018年から大きな盛り上がりを見せている、QRコード決済を主体としたスマートフォン決済。その過熱ぶりは2019年に入ってからも落ち着く気配はなく、大きな動きが相次ぎ過熱の一途をたどっている。

 2019年に入ってからスマートフォン決済に新規参入、あるいは参入予定のサービスを挙げるだけでも、大手・有名企業がこぞって参入している様子が理解できるだろう。メルカリ子会社のメルペイが展開する「メルペイ」が2019年2月に参入して以降、2019年4月にはKDDIの「au PAY」、2019年5月にはゆうちょ銀行の「ゆうちょPay」が参入。さらに2019年7月にはセブン&アイ・ホールディングスの「7pay」がサービス提供を予定している。

2019年もスマートフォン決済に参入する事業者は急増しており、KDDIもau WALLETを基盤としたQRコード決済サービス「au PAY」を2019年4月9日より提供開始している。写真は2019年4月4日のau WALLETポイント発表会より(筆者撮影)
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 また2018年末に大きな話題となったスマートフォン決済サービスの大規模な顧客還元キャンペーンも、2019年には参入企業が増えたことで一層過熱の様相を呈している。ソフトバンクとヤフーが共同出資して設立したPayPay社の「PayPay」や、LINE社の子会社が展開する「LINE Pay」は、支払額の最大20%を還元するキャンペーンを、時期や対象サービス、店舗などを変えながら断続的に実施している。またメルペイはゴールデンウイーク中などに、最大で支払額の70%を還元するという大胆な施策を打ち出したことで話題となった。

 さらにLINE Payは、利用者を増やすための施策として、2019年5月20日より、1000円分の「LINE Payボーナス」(用途が限定されたLINE Pay残高)を、無料で友達に送ることができる「全員にあげちゃう300億円祭」を実施した。送られたLINE Payボーナスは、LINE Payへのチャージや送金などができるよう、本人確認をして銀行口座をひも付けている人だけが受け取れる仕組みであったことから、銀行口座のひも付けを促しLINE Payの利用を促進するためのキャンペーンだったと言える。

2019年5月20日から実施されていた、LINE Payの「全員にあげちゃう300億円祭」は、銀行口座をひも付けた友達に1000円分のLINE Payボーナスを送れるという内容だった。写真は2019年5月16日の「LINE・LINE Pay」記者発表会より(筆者撮影)
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