世界各国で携帯電話のネットワークに接続し、話した言葉をクラウド経由で翻訳する携帯型の自動翻訳機が人気を高めている。こうしたデバイスを提供できるようになったのはスマートフォンの存在が大きく影響している。それ故、先行きに懸念もある。

「POCKETALK」のヒットで市場を確立

 ここ最近、携帯型の自動翻訳機の人気が急速に高まっている。中でも最近増えているのは、携帯電話のネットワークなどに接続し、話した言葉をクラウド経由で翻訳することで、精度の高い翻訳を実現する自動翻訳機だ。

 日本でその先駆けとなっているのが、ソースネクストの「POCKETALK(ポケトーク)」シリーズである。携帯型の自動翻訳機を手掛けるオランダのトラビス(Travis)というベンチャー企業と共同開発したもので、ソラコムからSIMの提供を受け、世界各国で利用可能な通信機能とセット販売しているのが特徴だ。

ソースネクストのクラウド型自動翻訳機の最新モデル「POCKETALK W」。タッチ操作と4Gのネットワークに対応し、利便性を向上させている
(出所:ソースネクスト)
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 ソースネクストは2017年12月に、3Gの通信に対応した初代POCKETALKを発売してヒットを記録。同社はPOCKETALKシリーズの2020年末までの目標販売台数を当初50万台としていたのだが、2018年11月にはその目標を2倍の100万台に上方修正している。この点からも、好調ぶりをうかがい知ることができるだろう。

 さらに同社は2018年9月に、新モデルの「POCKETALK W」を投入。ディスプレーを大型化して画面を見やすくし、タッチ操作を可能にするなどインターフェースを進化させただけでなく、新たに4G(FDD-LTE)のネットワークに対応させたのも大きなポイントだ。

 筆者は初代モデルを使ったことがあるが、3Gでは通信速度が不十分で翻訳までタイムラグが発生し、実用には不安があったというのが正直なところだった。それだけに、より高速な4Gへの対応によって翻訳のスピードが上がったことは、利便性の向上という意味で大きな進化だと言える。

 日本では海外渡航者だけでなく、外国人観光客の増加によって翻訳に対するニーズが年々高まっている。それだけに自動翻訳機にはもともと高いニーズがあったが、それを2万〜3万円という比較的低価格なデバイスで実現したことが、POCKETALKのヒットにつながったと言えそうだ。