10〜20代の若い世代から高い支持を得て、2018年にブレークした動画共有アプリ「TikTok」。短期間のうちに音楽業界を中心に大きな影響を与える存在となったTikTokだが、今後若い世代以外からの支持を獲得し、最大手のYouTubeに並ぶ存在として台頭できるのだろうか。日本事業の責任者に話を聞いた。

時流に乗って若者の人気を獲得

 2018年に10〜20代の若い世代から人気を獲得した、中国発の動画共有アプリであるTikTok。アプリを配信するマーケット側が選出する2018年のベストアプリの傾向からも、その人気ぶりを見て取ることができる。

 実際、米グーグル(Google)が2018年12月7日に実施した国内の「Google Play ベスト オブ 2018」では、TikTokがアプリの「エンターテイメント部門」でベストアプリを獲得している。一方で、米アップル(Apple)のApp StoreではベストAppに選出されていないものの、年間のトップランキングでは20位以内だ。日本だけでなく、世界的に高い人気を博している様子がうかがえる。

2018年に若い世代から高い支持を得た「TikTok」は、「Google Play ベスト オブ 2018」の「エンターテイメント部門」でベストアプリを受賞している。写真は2018年12月7日の同イベントより(筆者撮影)
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 TikTokは音楽に合わせて15秒のショートムービーを作成、投稿するアプリである。音楽との親和性が非常に高く、TikTokからヒットする楽曲なども生まれてきている。そうしたことからTikTokは、定額音楽配信サービス「AWA」を提供する同名企業と提携し、2万5000曲の楽曲を追加。さらにTikTok上でAWAの楽曲をフル再生したり、AWAで気に入った楽曲からTikTokの動画撮影にすぐ移行できるようにしたりするなどの取り組みを、2018年12月11日から実施している。

 同日に業務提携に関する記者向けのイベントが開かれた。そこでTikTokを運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)の日本法人、Bytedanceのグローバルビジネスデベロップメント本部長である井藤理人氏に話を聞くことができた。

提携を発表したBytedanceの井藤理人氏(右)とAWAの代表取締役社長である小野哲太郎氏(左)。今後は両社で、TikTokを活用した新人アーティストの発掘なども進めていきたいとしている。写真は2018年12月11日の「SKE48」TikTokerデビューお披露目会より(筆者撮影)
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 バイトダンスはTikTokの月間アクティブユーザーが全世界で5億人に達していることを公表しているが、日本での具体的なユーザー数は公表していない。だが「(2018年)1月時点では知る人ぞ知る女子高生のアプリだったのが、流行語大賞にノミネートされるまでになった。最近はTikTokを見ない日がないくらいで、びっくりしている」と、運営側も驚くペースで人気を獲得しているようだ。

 急成長の理由として井藤氏は2つの要因を挙げている。1つは、自分撮り文化が若い世代のトレンドになったこと。そしてもう1つは、スマートフォンが若い世代のエンターテインメントの中心になっていることだ。TikTokの動画は音楽に合わせた口パク動画を中心として、自分自身を撮影したものが主流であるだけに、時流にうまく乗ったことが人気につながったと捉えているようだ。