ここ最近大きな注目を集めているスマートフォンを活用したモバイル決済。だがその取り組みを見ると、国内のインターネット大手や携帯電話大手はQRコード決済に力を入れ、海外の米アップルや米グーグルはFeliCaへの対応を推し進めるなど、これまでと全く異なる様子を見せている。なぜ国内と海外の企業で、モバイル決済への取り組みに大きな違いが出ているのだろうか。

国内企業が相次ぎ参入、QRコード決済は増加の一途

 2018年に大きな注目を集めているのが、スマートフォンを活用したモバイル決済である。最近もモバイル決済に関する大きな動きが相次いでいるのだが、興味深いのは国内企業と海外企業で、モバイル決済に対する取り組みの方向性が全く異なっているということだ。

 国内企業のモバイル決済に関する取り組みとして目立っているのは、QRコードを活用した決済サービスである。QRコード決済が中国で急速に普及したことから、日本でもモバイル決済普及の切り札になると考えた企業が、相次いでQRコード決済の分野に参入している。

 QRコード決済には2018年だけでも、NTTドコモが4月に「d払い」で参入を果たしたほか、10月にはソフトバンクとヤフーが合弁で展開する「PayPay」がサービスを開始。PayPayは後発ということもあって、PayPayに新規登録した全ての人に500円相当の電子マネーを付与するキャンペーンを実施するなど、新規ユーザーの獲得に力を入れている様子だ。

ソフトバンクはヤフーとの合弁で、QRコード決済サービスを提供する「PayPay」を設立。2018年10月5日にはサービスを開始している。写真は2018年8月6日のソフトバンクグループ決算説明会より(筆者撮影)
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 既に「LINE Pay」でQRコード決済を提供しているLINE社も、中小規模の加盟店に対し2018年から3年間、決済手数料を無料にするなどの施策を実施。普及に向け次々と大胆な施策を打ち出し、注目を集めている。加えてKDDIも2018年度中に、「au WALLET」を基盤としたQRコード決済を提供することを明らかにしている。

 QRコード決済のサービス事業者は増加の一途をたどるが、一方でサービスの乱立による消費者の混乱も懸念される。そこで経済産業省は2018年7月に「キャッシュレス推進協議会」を設立、QRコードの規格統一を推し進める。このように国を挙げてQRコード決済に力を入れる様子がうかがえる。