ソフトバンクは2018年8月29日、新料金プラン「ウルトラギガモンスター+」を発表。日本の大手キャリアとして初めて、YouTubeなど特定サービスの通信量をカウントしない「ゼロレーティング」を導入した。携帯電話大手の一角が、今なお議論を呼ぶゼロレーティングをあえて導入したのには、通信サービスの在り方が大きく変化しつつあることが影響しているようだ。

携帯電話大手の一角がゼロレーティングを採用

 例年、iPhoneの発売に合わせて新しい料金プランを発表するソフトバンク。だが2018年は新iPhoneが発表される前の8月29日に発表会を実施し、「ウルトラギガモンスター+」を発表した。

 これはその名前の通り、50GBのデータ通信容量が利用できる「ウルトラギガモンスター」に新しい要素をプラスしたプランだが、その内容が大きな話題を呼んだ。それは大手キャリアとして初めて、ゼロレーティングを導入したことだ。

 具体的には、「YouTube」「AbemaTV」「Hulu」などの動画サービス、そして「LINE」「Instagram」などのコミュニケーションサービス、合計8つのサービスを利用した際、通信量をカウントしない。それぞれ一部に対象外のサービスは含まれるものの、ゼロレーティングを導入したことは確かである。

ソフトバンクが2018年8月29日に発表した「ウルトラギガモンスター+」。ゼロレーティングを導入し、YouTubeやFacebookなど8つのサービス利用時のデータ通信量をカウントしない。画像はソフトバンクの新サービスに関する記者発表会・プレゼンテーション資料より
(出所:ソフトバンク)
[画像のクリックで拡大表示]

 国内におけるゼロレーティングはこれまで、ソフトバンク傘下となったLINEモバイルなど、一部のMVNOが積極的に導入を進めていた。だがゼロレーティングに関しては、ネットワーク中立性や、通信の秘密の侵害などの問題に関して、業界全体で議論がまとまっていないことから、携帯電話大手3社はゼロレーティングの導入に積極的ではなく、本格的な導入には至っていなかった。

 だが実はソフトバンクは2016年に、かつて提供していたスポーツ動画配信サービス「スポナビライブ」のデータ通信量を無料にするキャンペーンを実施し、「ゼロレーティングの導入ではないか」との指摘を受けたことがある。大手3社の中ではゼロレーティングに対して寛容な姿勢を取っていたと言えよう。

 しかしなぜ、ソフトバンクはこのタイミングで、国内ではまだ是非が定まっていないゼロレーティングの導入に踏み切ったのだろうか。それには、スマートフォンのコンテンツと通信料金の在り方が変化しつつあることが影響しているようだ。