2018年8月31日から9月5にかけてドイツ・ベルリンで家電の総合見本市イベント「IFA 2018」が開催された。今年のIFAでは様々な企業が次世代モバイル通信規格「5G」に関する取り組みを見せた。家電が主体のイベントでモバイル通信が取り上げられるのは異例だと言える。それだけ5Gに対して高い関心を寄せる企業が多いのはなぜだろうか。

家電中心のイベントで目立った5G

 IFAでは例年、家電メーカーだけでなく様々なIT関連企業が記者会見や展示を開くが、今年は例年とは異なる傾向が見られた。それは5G(第5世代移動通信システム)が取り上げられる機会が多かったことだ。

 5Gは日本では2020年の商用サービスが予定されているが、より早い国では2018〜2019年に開始するとされている。韓国サムスン電子は、2018年8月30日に実施したIFAの記者会見において、2018年中に米国で、5Gを使った世界初のホームブロードバンドサービスを提供することを明らかにしている。同社は5Gで新しいエンタテインメント体験を提供していきたいとのことだ。

 ソニーも同じく2018年8月30日に実施した記者会見にて、スマートフォン事業を担うソニーモバイルコミュニケーションズの岸田光哉 代表取締役社長が5Gについて言及。Xperiaシリーズのスマートフォンで培った通信技術を生かして5Gの取り組みをけん引していくとの考えを示した。

IFA 2018の開催に先駆けて2018年8月30日に実施した記者会見で、ソニーモバイルの岸田光哉氏はスマートフォン新製品だけでなく、5Gに関する取り組みについても説明した。写真は同会見より(筆者撮影)
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 5Gに対応するデバイスについて具体的に言及する動きもあった。2018年8月31日に開催された中国ファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies)のリチャード・ユーCEOは基調講演で、同社傘下のHiSilicon Technologyの新しいチップセット「Kirin 980」に関して説明した。その中で同氏は、Kirin 980は当初4.5G向けのモデムを搭載するが、5Gのモデムをペアにして使うことも可能だと説明。5Gを強く意識した製品であることを明らかにしている。

ファーウェイのリチャード・ユー氏は、2018年8月31日に実施したIFAの基調講演の中で、新しいチップセット「Kirin 980」と5Gのモデムを組み合わせることで、5Gネットワークに対応できるとアピールしていた。写真は同講演より(筆者撮影)
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 また中国ZTE(中興通訊)も、米国政府から受けていた制裁の解除を受けてか、今回のIFAでは2017年に続いて展示や発表会を実施。その中で同社は5Gに関する取り組みを明らかにした。ブースの展示ではモックアップであるものの、ホームタイプのWi-Fiルーターからスマートフォンまで、具体的な5G端末を展示した。