ヤフーが2017年7月に開始したHTML5ベースのWebブラウザーゲームプラットフォーム「ゲームプラス」に対して、米アップルが圧力をかけ取引を妨げた疑いがあると日本経済新聞などが報じた。報道が事実であるとするならば、スマートフォンアプリのプラットフォーマーであるアップルが、HTML5ベースのサービスに強い警戒感を抱くようになったとも言えそうだ。

当初の勢いが見られないゲームプラス

 2017年7月にヤフーがゲームプラスを開始してからおよそ1年が経過した。ゲームプラスは、パソコンやスマートフォンのWebブラウザーから利用できる、Webブラウザーゲームのプラットフォームである。ゲームをストリーミング配信する「クラウドゲーム」のほか、HTML5ベースのゲームが動作する「HTML5ゲーム」の2種類を用意しているのが特徴だ。

 ヤフーはゲームプラスの発表に際して、大手から中小まで52社のゲーム会社が参加すると発表。さらにHTML5ベースながらも、ネイティブアプリのような高度なゲームが提供できることをアピールするなど、かなり力を入れている様子だった。

ヤフーは2017年7月18日に、ブラウザーベースのゲームプラットフォーム「ゲームプラス」を大々的に発表したものの、その後目立った取り組みは見られなくなっていた。写真は同日の「Yahoo!ゲーム『新ゲームプラットフォーム』メディア発表会」より(筆者撮影)
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 だが2018年8月、そのゲームプラスに関して気になる報道が流れた。ゲームプラスに対して、米アップルが圧力をかけ取引を妨害した疑いがあるというものだ。報道によると、アップルから非公式の圧力があり、ヤフーはゲームプラスへの投資を抑えざるを得なくなったとのことで、公正取引委員会が調査に乗り出しているという。

 筆者はこの報道内容に関して、その真偽を把握できているわけではない。だがゲームプラスのサービス開始から1年が経過した現在の状況を見ると、芸能人を起用してプラットフォームを大々的にアピールしていた、発表当初の勢いが全く感じられないことは確かである。

 サービス開始当初、ゲームプラスでは大手ゲーム会社による大型ゲームタイトルを次々導入する予定としていた。だがゲームプラスの内容を見るとそうしたタイトルは追加されておらず、依然としてレトロゲームやライトゲームが大半を占めている状況だ。しかもゲームプラス立ち上げ時の目玉タイトルだったスクウェア・エニックスの「アンティーク カルネヴァーレ」は2018年4月26日にサービスを終了してしまっている。