MAYA SYSTEMは2018年7月17日、「クラウドSIMテクノロジー」を採用し、世界100の国と地域で安価かつ手軽にデータ通信が利用できる日本初のスマートフォン「jetfon(ジェットフォン)」を発表した。長らく選択肢に乏しかった海外渡航者向けの通信サービスだが、拡充する企業がここ最近増えている。その理由はどこにあるのだろうか。

海外で安価にデータ通信ができるスマートフォン

 2018年1月に、経営破綻したプラスワン・マーケティングの「FREETEL」ブランドと端末事業を引き継いだことで話題となったMAYA SYSTEM。同社が2018年7月17日に発表会を開き、世界各地でデータ通信が利用できるスマートフォン、jetfonを8月に発売すると発表した。

 jetfonは2枚のSIMを挿入できるミドルクラスのSIMロックフリースマートフォンだ。大きな特徴は、端末と通信サービスが一体で提供されている点にある。jetfonはSIMの情報をクラウド上に格納し、SIMを挿入することなく世界中で現地の通信サービスが利用できるクラウドSIMテクノロジーを採用。jetfon本体さえ持っていれば、世界各地で手軽にデータ通信を使えるというのだ。

MAYA SYSTEMは2018年7月17日に発表会を実施し、世界100の国や地域でデータ通信が利用できるスマートフォン「jetfon」を発表した。写真は同発表会より(筆者撮影)
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 具体的には、jetfonに搭載された専用のアプリを使い、利用する国や地域、通信量や日数に応じたプランを選び、料金を支払う。後は指定した国で、プランごとのデータ通信量や日数分だけデータ通信を利用できるという。支払いにはクレジットカードまたはPayPalを用いるが、料金プランは全て円建てなので安心感は高い。

 jetfonが利用できる国や地域は100に上る。料金プランも最も安価な1日300MBのアジア向け(1カ国)プランで380円から。7日間1GB、2カ国以上で利用可能な欧州周遊プランでは1880円からとなっており、同種のサービスとしては安価なほうである。ただしこのサービスで利用できるのはデータ通信のみであるため、音声通話を利用するには、空いているSIMスロットにSIMを挿入する必要がある。

 jetfonは香港のuCloudlinkの端末をベースにしており、同社はクラウドSIMテクノロジーを採用した製品やサービスを提供している。MAYA SYSTEMはプラスワン・マーケティングの端末事業の譲渡を受けたことで得た人材や資産を生かし、日本語対応や日本の法令の順守など、日本でサービスを展開するうえで必要なローカライズをuCloudlink製端末に施して販売するとのことだ。

jetfonには専用アプリが搭載されており、ここから各国の料金プランを購入し、利用する形となる。支払いにはクレジットカードやPayPalを用いるが、円建てでの決済が可能だ。写真は2018年7月17日のMAYA SYSTEM発表会より(筆者撮影)
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 MAYA SYSTEMは元々、クラウドSIMテクノロジーを活用したWi-Fiルーター「jetfi(ジェットファイ)」を提供している企業であり、その技術を生かした独自のスマートフォンを開発するためにプラスワン・マーケティングと接触したことが、後の事業譲渡へとつながっている。今回のjetfonはMAYA SYSTEM独自の要素は少ないものの、今後はハード面でも同社独自の要素をもっと取り入れた端末を提供したい考えを打ち出している。