LINE社は2018年6月28日、事業戦略イベント「LINE CONFERENCE 2018」を開いて新しい戦略を発表した。なかでも重点を置いたのは決済サービス「LINE Pay」に関する取り組みだ。専用のアプリを使うと店舗側にかかる決済手数料が3年間無料になるなど、中小規模の店舗が抱える課題に対処することでLINE Payの本格普及に乗り出す考えのようだ。果たして成功を収めることはできるだろうか。

LINE社が注力する中小店舗向けの導入施策

 中国での急速な普及を受け、日本でもスマートフォンとQRコードを用いたキャッシュレス決済を導入する企業が増えている。既に楽天の「楽天ペイ」やベンチャー企業であるOrigamiの「Origami Pay」、そしてNTTドコモの「d払い」などがQRコード決済を採用し、対応する店舗でQRコードを用いた決済が利用可能となっている。

 そしてもう1社、QRコード決済の普及に力を注いでいる企業として挙げられるのが、メッセンジャーアプリ大手のLINE社である。同社は子会社に決済サービス「LINE Pay」を手掛けるLINE Pay社を持ち、オンラインでの個人間送金や決済に加え、プリペイドカードの「LINE Payカード」や、QRコードを用いた「コード決済」などによる店舗での決済サービスも提供している。

 だがQRコード決済は参入企業が増えているものの、一般に広く認知され幅広いシーンで利用されているとは言い難いのも事実。そうした状況下で、LINE社はいかにしてLINE Payのコード決済を推し進めようとしているのだろうか。同社は2018年6月28日に事業戦略イベント「LINE CONFERENCE 2018」を実施し、LINE Payによるコード決済の普及に向け、従来よりも大きく踏み込んだ施策を打ち出したことで注目を集めている。

LINE社は2018年6月28日の「LINE CONFERENCE 2018」で、LINE Payのコード決済の利用拡大に向けた新たな施策の説明に多くの時間を費やした。写真は同イベントより(筆者撮影)
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 LINE社はこのイベントで、中小規模の店舗にLINE Payのコード決済を導入してもらうための施策の大幅な強化を発表した。これまでQRコードによる決済サービスの導入を推し進めてきたのは大規模店やチェーン店などであったが、日本では大型店舗よりも中小規模の店舗のほうが多い。そうした店舗のキャッシュレス化が進んでいないことが大きな課題だとLINE社は考えたようだ。

 LINE社はこれまで、そうした店舗でのLINE Payのコード決済導入に向け、QRコード決済に対応した端末などを提供しているネットスターズと資本・業務提携を結ぶなどして環境を整えてきている。それでもなお、国内の中小店舗でQRコード決済の導入が進まない理由として、LINE社は大きく2つあると見ているようだ。