視覚で情報不足を補うスマートディスプレー

 冒頭でも述べたように、Amazon Echo Spotのようにディスプレーを搭載したスマートスピーカーは、スマートディスプレーと呼ばれるようになり、注目されている。実際、2018年1月に実施された家電・ITの総合見本市イベント「CES 2018」では、多くのスマートディスプレーの新製品が展示されるなど、同イベントの目玉の1つとなっていたようだ。またLINE社も、2018年6月28日に7インチのディスプレーを搭載した「Clova Desk」を2018年冬に発売すると発表しており、今後国内でもいくつかの製品が登場するものとみられる。

LINE社は2018年6月28日に実施した事業戦略イベント「LINE CONFERENCE 2018」で、ディスプレーを搭載した「Clova Desk」を2018年の冬に発売すると発表。詳細は明らかにしなかったが、カメラを搭載し、LINEによるビデオ通話に対応するとみられる。写真は同イベントより(筆者撮影)
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 なぜスマートスピーカーにディスプレーが搭載されるようになったのか。そこには音声の情報を視覚で補う狙いがある。スマートスピーカーは音声で情報を得る仕組みなので、今日の天気を確認したり、音楽やラジオを聴いたりするのには便利なのだが、1週間の天気をまとめて確認したり、お店を探したりする場合も全て音声のみで結果を伝えてくるため、使い勝手が良いとは言えなかった。

 音声だけでは不足する情報を補うには、やはり視覚的に情報を伝える必要があると判断、スマートスピーカーにディスプレーが搭載されるに至ったと言えよう。アマゾン・ドット・コムだけでなく、「Google Home」を提供する米グーグル(Google)も、スマートディスプレーの提供に向けた取り組みを推し進めており、2018年内には音声アシスタント「Googleアシスタント」を搭載したスマートディスプレーがいくつかのメーカーから登場すると言われている。

 日本で販売されている現行の製品でスマートディスプレーに近い存在と言えるのが、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Hello!」である。Xperia Hello!は能動的に人に話しかける機能を備えたコミュニケーションロボットであり、価格も10万円を超える高額な商品であることから、純粋なスマートディスプレーとはやや位置付けが異なる。だがロボットのボディにディスプレーを搭載し、話しかけた内容に応じてディスプレーに情報を表示する機能や、「Skype」を用いたビデオ通話機能を備えるなど、スマートディスプレーに近い要素も多く備えているのだ。

 筆者は以前Xperia Hello!を使ったことがあるが、音声だけでは不足している情報を得たり、音声では面倒に感じる操作をしたりするうえで、ディスプレーの存在は大きいと感じた。そうした経験からも、ディスプレーの搭載によって、スマートスピーカーの位置付けが大きく変化する可能性があるのは確かだと感じる。

現行の製品でスマートディスプレイに近い存在と言えるソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Hello!」。声で話しかけると、音声だけで回答するのではなく、ディスプレイにも表示してくれる。写真は2017年10月17日のソニーモバイルコミュニケーションズ・スマートプロダクトの新商品体験会より(筆者撮影)
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