米グーグル(Google)は2018年5月24日、同社の決済サービス「Google Pay」の日本でのサービス拡充を発表した。新たにSuicaやWAONに対応したほか、オンライン決済の提供を発表するなどサービスの充実度が高まった。だが、非接触決済はおサイフケータイと比べると物足りない面があり、利便性ではApple Payに追いついていないなど、まだ途上な部分が多い。Google Payの活用を広げるうえで鍵となるのは何だろうか。

新たに「Suica」「WAON」に対応

 グーグルが提供するAndroidスマートフォン向けの決済サービスGoogle Payは、2016年に「Android Pay」として日本でのサービスを開始。2018年2月に「Google ウォレット」と統合する形でGoogle Payに名称を変更し、現在は総合決済サービスとして提供されている。

 さらに同社は日本で提供するGoogle Payに関して、5月24日に新たなサービスの追加を発表した。その1つは、利用できる電子マネーサービスの拡大である。Google PayはFeliCaなどの非接触通信技術を用いて実店舗で決済する非接触決済に対応している。これまで日本で対応する非接触決済サービスは電子マネーの「楽天Edy」「nanaco」のみであったが、新たに「Suica」「WAON」に対応したと発表したのである。

Google Payは新たにSuicaとWAONに対応したことで、非接触型の主要な電子マネーサービスに対応したこととなる。写真は5月24日のGoogle Pay発表会より(筆者撮影)
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 これまでGoogle Payの弱点とされていたのは、対応する非接触決済サービスが少なかったことである。それだけに、国内の電子マネーサービスの中でも、交通系電子マネーとして利用の範囲が広いSuicaと、イオンを中心に多くの店舗で利用可能なWAONに対応し、国内の主要電子マネーサービスの4種類をカバーしたことは、普及に向けて大きな意味を持つと言えよう。

 ちなみに今回の発表と同時に、グーグルは2018年の夏以降、ジェーシービー、ジャックス、Kyashが発行するクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードにも対応し、「QUICPay」で決済できるようにすることも明らかにしている。こうした動きからも、グーグルが今後、国内で対応する非接触決済サービスを増やそうとしていることは確かなようだ。

 Google Payが利用できるのはAndroid 5.0以上のおサイフケータイ対応機種のみ。同じくAndroidスマートフォン向けに提供されている非接触決済サービス「おサイフケータイ」と比べると対応するサービスが少ない。そのため現時点では、まだあえてGoogle Payを積極的に利用する理由には乏しい。

 だが今後電子マネーのほか、QUICPayや「iD」など主要な非接触決済サービスへの対応が一通り進めば、複数の決済サービスを1つのGoogleアカウントで統合・管理できるGoogle Payのメリットが効いてくる。グーグルにとって現在がまさに正念場と言えるだろう。

対応するサービスが増えたことで、各種電子マネーサービスを一元管理できるGoogle Payのメリットが広がってきているのは確かだ。写真は5月24日のGoogle Pay発表会より(筆者撮影)
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