Q.パッケージ開発会社でマネジャーを務めています。部内には導入支援や技術サポートを担当する派遣SEが5人います。ところが先日、派遣会社から派遣SEの単価の引き上げを打診されました。同一労働同一賃金が背景にあるようですが、これでは正社員の採用と変わりません。契約の打ち切りも検討せざるを得ない状況です。

 最近、同様の悩みを多く耳にします。IT業界に限った話ではありませんが、もともとITエンジニアの単価(単金)が高いからでしょう。派遣会社にとって単金が高いSEは収益上大きなインパクトがあるため、引き上げを打診するケースが増えているのかもしれません。「単金アップは同一労働同一賃金によって御社の正社員と同様の賃金水準にする必要があるためです」。派遣会社の営業担当から、こんな説明を受けるケースがあるようです。

 しかし派遣先にとっては質問者のように、正社員と同等分の単金にするなら派遣SEを断って正社員を採用したほうがよいと考えるでしょう。そうなると派遣契約の終了、いわゆる「派遣切り」が多くなる可能性があります。

派遣SEにも及ぶ同一労働同一賃金

 注意したいのは、同一労働同一賃金の範囲です。多くの場合、同一労働同一賃金は自社で雇用する正社員と、パート社員や契約社員の待遇差を改善するものと考えがちです。つまり派遣SEは自社の社員ではないので無関係という考えです。しかし同一労働同一賃金の範囲は、派遣社員にも及びます。

 そもそも派遣社員の単金の決め方は大きく2つあります。1つは「派遣先均等・均衡方式」と呼ぶ決め方です。派遣先均等・均衡方式は、派遣先の正社員と同じ待遇にするもので、大企業になるほど正社員の給与が高いのでインパクトが大きくなります。

 派遣SEに給与を支払うのは派遣会社です。このため派遣会社は派遣先における同等レベルの正社員の給与を知らなければ支払うことができません。よって、派遣先は賃金情報を派遣会社に提供する義務が生じます。派遣先にとっては面倒な方式です。

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