Q.情報システムの開発・運用保守を手掛ける会社に契約社員として入社しました。ところが契約書には本社勤務と記載されていたのに、実際は顧客先に常駐しています。しかも顧客から直接指示を受けています。上司に約束が違うと進言しましたが聞き入れてくれません。これは契約違反や偽装請負ではないのでしょうか。

 このケースは大きく2つの問題があります。1つは契約書に勤務場所が限定的に記載されていたにもかかわらず、実態がそれと異なる点です。もう1つは顧客からの直接指示を受けている点です。前者は契約違反、後者は偽装請負に当たる可能性があります。

 労働契約書には勤務場所や業務内容が記載されます。そのため実際に働き始めて採用時に聞いた条件と違うとトラブルになりかねません。

 例えば「顧客先での作業あり」と契約書に明記されていればOKですが、無い場合は本人の了解を得なければなりません。特に勤務場所が遠くなるほど、不満に感じる人が増えるでしょう。この場合、勤務場所が変わる可能性を最初に伝えていない会社が悪いことになります。

偽装請負が疑われるSES契約

 一方、質問者のケースは偽装請負にもなりかねません。IT企業のサービスの1つに、SEを企業などに常駐させる「SES(システムエンジニアリングサービス)」があります。準委任契約や業務委託契約などと呼ぶこともあります。

 SES契約は、主にシステム開発後のテストや、本番稼働後の運用業務に見られる契約形態です。SES契約の常駐SEはアプリなどの成果物を納めるのではなく、スキルや能力という「労働力」を提供します。つまりSES契約の実態は準委任契約であり、顧客が直接指示を出すことはできません。

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