Q.先日、通勤中に歩きスマホをして転び、ケガをしてしまいました。会社から注意喚起されていた、スマホでゲームをしていたのが原因です。そこで労災申請しようとしたところ、会社から「自己責任だ。労災申請はできない」と却下されました。本当にできないのでしょうか。

 ポケモンGO(Pokemon GO)が流行していたころ、類似の相談がいくつかありました。ゲームに夢中になり、本人が転ぶだけでなく、第三者を転ばせてケガを負わせた、ぶつかってトラブルになったという類いのものです。

 通勤中・業務中にかかわらず、いわゆる歩きスマホや、自転車・自動車を運転しながらのスマホについては、やめるように注意喚起している会社が多いのではないでしょうか。ただし、ケガの原因が歩きスマホによる本人の不注意だとしても、会社は労災(労働災害)申請をすべきです。ケガの原因や発生状況を客観的事実に基づいて記入・申請してください。

労災かどうかは労基署が判断

 労災が適用されるか否かは、労働基準監督署(労基署)が判断します。労災に「なる」「ならない」と一概には言えません。質問のケースも、認められる方向で判断されると思います。ただ、本人の故意や重大な過失が原因だと判断されると、労災扱いにはならない可能性があります。

 また、ポケモンGOのような移動型のゲームに熱中し、通勤経路を逸脱していた場合も労災扱いにならない可能性がより高まります。通勤経路の逸脱で許容範囲となるのは、食材や日用品の購入でスーパーマーケットに寄る場合や、診療で病院に寄る場合などです。このような場合は、通勤経路を逸脱・中断しても通勤途中として認められます。

会社は労災申請を行うべき

 一方、会社は労災申請をきちんと行うべきです。

 労災申請を行うか否かは、会社が決めるものではありません。ましてや労災扱いになるか否かの判断も会社がするものではありません。例えば社員の不注意によるケガなので「無理だ。申請しても認められない」と会社側が判断して本人に言うのは誤りです。現実にそういった発言をする人事部の担当者や上司がいます。

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