Q.今年入社した社員のエンジニアが、頻繁に無断欠勤を繰り返して困っています。家族に連絡すると、元気とのこと。職場は忙しく、他のメンバーがその分仕事をしています。会社に来る気がないなら、退職してほしいと思います。逆に、会社から解雇することはできないのでしょうか。

 時々連絡はつくが無断欠勤を繰り返す社員から、全く連絡がつかない「行方不明状態」の社員まで、職場には無断欠勤をする社員が現実にいます。家族経由で無事であることが分かっているのに、何の理由もなく会社に連絡をしない。こうした社員は、非常識だと言えるでしょう。

 質問者のように、中には入社してすぐに無断欠勤となるケースもあります。筆者のもとにも、名刺や名札、メールアドレス、PCの準備をはじめ、社会保険の加入手続きなどを済ませたとして、しばしば人事部から苦情が寄せられます。

無断欠勤者を解雇できるか

 では、無断欠勤者を解雇できるのでしょうか。確かに本人からの連絡がなく、会社からの連絡も無視するような社員は、会社や職場として「クビにしたい」と思うでしょう。正当な理由もなく無断欠勤が続いている以上、解雇できるのは当然という考えです。

 しかし、身勝手な無断欠勤が何日も続いていても、それを解雇事由として今すぐ解雇するのは難しいでしょう。まずは解雇するという会社の意思(通知)を、本人に伝えなければなりません。具体的には、解雇の30日前までに「解雇予告通知書」を本人に届ける必要があります。

 とはいえ、普段から連絡が取れない状態です。解雇予告通知書を受け取った証明を得られない恐れがあります。

「公示送達」で解雇する

 次に考えるのが、連絡が取れない状態で解雇などをする場合に使う「公示送達」です。公示送達とは、文書の交付証明が取れない場合に、法的に送達したとみなす手続きです。

 ただし、この手続きは簡単ではないというデメリットがあります。裁判所で公示送達の手続きを経て、区役所や市町村役場などに解雇の通知を掲示しなければなりません。その上で掲示から2週間が経過すると、本人に通知したとみなします。実際に解雇できるのは、そのあとの30日後です。

 このように公示送達は、とても面倒な手続きです。身勝手な社員のために、ここまで手間と時間をかけなければならないのかと思う場合が多いでしょう。

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