Q.プロジェクトマネジャーです。最近、ある部下が社内の会話をスマホで常に録音していることが分かりました。確認すると、上司や先輩の指導に納得がいかず、いつかパワハラに発展したときの証拠にしようと考えていたようです。周りのメンバーも大変迷惑しています。こうした行為はどうやってやめさせればよいのでしょうか。

 まさにスマホの性能が進歩したために起こる事態です。今では専用の録音機器が必要ではなくスマホで十分です。メモリーやSDカードの容量が許す限り、何時間でも記録できます。机上にスマホやタブレットが置かれる光景も自然になりました。スマホやタブレットで録音アプリが常時起動していても分からないと思います。

 では、隠れ録音は許されるのでしょうか。上司や先輩社員に比べて部下や後輩社員が立場的に弱いのは事実です。また、世の中には悲しいことにブラックな会社や上司が存在します。そのような会社では常識が通用しないので、弱い立場の社員が証拠を残そうとするのは当然です。

 しかし、質問のケースの部下は少し度を越しています。現に耐え難いパワハラが日常的に起こっていて、その証拠を残そうとしているわけではありません。これでは社内の日常会話まで録音されることになり、職場環境が悪くなるのは明白です。

情報漏洩の危険がある

 明確な理由も無いのに、単に就業時間中の全ての会話を録音する行為はやめさせるべきです。顧客や取引先との電話や打ち合わせの会話、同僚同士の日常的な会話までデータとして残ります。職場の同僚間だから話せる会話もあるでしょう。業務内容で社外に知られてはならない会話もあります。

 例えば、顧客のシステム開発においては、要件定義から本番稼働に至るまで、各場面でボタンの掛け違いからトラブルに発展するケースがあります。費用やスケジュールの調整で、社内会議では顧客の悪口も言っているのではないでしょうか。

 トラブル対応で仕事が増えた社員は、顧客への愚痴を言っているかもしれません。新規受託の見積もりでは、リスク分を考慮してコストや工数を上積みしておくなどの会話もあるでしょう。

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