こうしたモヤモヤを晴らすべく、手当たり次第に本を読んだり、インターネット上の情報を漁ったりしました。そうする中で出会ったのが、「キャリアコンサルタント養成講座」でした。

 キャリアコンサルタントとは、働き方の多様化が進む中で、個人が自らのキャリアについて主体的に考え、自身に合った働き方を選択できるよう支援する専門家です。2016年4月に国家資格化され、徐々に認知度が高まっています。

 私がこの資格を知った当時、まだ知名度は高くありませんでした。でも調べてみると、この資格取得の勉強をすることで、私の悩みに答えを見出せそうな気がしたのです。元々人間に興味があったこともあり、思い切って養成講座を受けてみることにしました。

 収穫は、想定以上でした。受講者は年齢層や職業も幅広く、受講に至った経緯もさまざま。今まで出会ったことのない価値観や経験を持つ仲間たちと触れ合う中で、いかに自分が世間知らずで「井の中の蛙大海を知らず」状態だったかを思い知りました。今振り返れば、このときの経験が、今の自分を形作る礎になっています。

トライアンドエラーでクラウドを使い始める

 2012年には、もう1つ大きな出会いがありました。業務で使い始めることになった、クラウドサービスです。

 当時、周囲にクラウドサービスをきちんと理解している人はいませんでした。興味を持っている人も少なく、とにかく分からないことだらけ。まずは“ググって”、たどり着いた情報を頼りに試してみるしかありません。まさにトライアンドエラーの繰り返しで、クラウドベンダーの担当者を質問攻めすることもしばしばでした。

 試行錯誤の日々は苦労も多かったのですが、私はどこかワクワク感を覚えていました。これまでの技術とは何かが違う、新しいことが起こりそうだ、という面白さを感じたからです。実際、クラウドとの出会いで私のその後のキャリアは大きく変わりました。

「実践」こそが道を開く

 何事でも、理論や知識を学ぶことは大事です。でも私はそれ以上に、「実践」を大切にしています。頭で考えるだけでなく、まずは行動する、アクションを取ることで人は成長し、道は開けるのではないでしょうか。

 私が人生の壁にぶつかっていた2012年。壁を突破するきっかけとなったのは、キャリアコンサルタントとクラウドという 2つのテーマで行動を起こしたことでした。思い切って一歩足を踏み出したことが、私のその後の世界を大きく広げてくれました。

 今回の連載も、私にとっては新たな一歩です。これまで私が実践を積み重ねる中で得たことを皆さんにお伝えすると同時に、私自身の成長や変化のきっかけにもなると考えています。

多田 歩美(ただ あゆみ)
キャリアコンサルタント
多田 歩美(ただ あゆみ) 2006年、大手自動車メーカーに入社。研究領域の情報システム部門を経て、現在は本社のグローバルITインフラ戦略業務に従事。2014〜2016年には業界団体でCAE(コンピュータ支援設計)領域でのクラウド活用タスクのリーダーを務める。社外活動としてはIT勉強会に積極的に参加・主催。2016年には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「Community Hero」に認定される。また、個人的な生涯学習としてキャリアカウンセリングの勉強を始め、2013年にCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を取得し、2016年国家資格キャリアコンサルタントに登録(写真:菊池 くらげ)