平野:実際に読んでみて読めた。その次の場面で重要になるのが理解できるか、意図が正確に伝わるかだ。ここにきてはじめて文章力や単語選びの話が出てくる。メールは、まとまった情報を相手がどう受け止めるかが分かりにくいコミュニケーションだ。

直井:挨拶から依頼内容まで、全てが一つのメールにまとまっています。これが対面なら、一言ずつ相手の理解を確認しながら伝えることができます。分からなければ質問するように促すこともできます。だから、対面ではズレは生じにくそうです。

平野:補足ありがとう。私の言葉が足らなかったら瞬時にこうして言葉を足せる。これが対面のメリットだね。でも、メールは相手が誤解していても分からない。どんな顔をして読んでいるのか分からない。

直井:だからこそ、誤解させないように書く。100%正しく伝わるように書く。そのためには「解釈の余地を残さない」ことが大切ですね。

平野:メールは自分の都合のいいように読もうとする。「急いで」「なるべく」「ちょっとだけ」などの曖昧表現はその代表格だ。これらを排除するだけでスッキリと伝わるようになる。

直井:曖昧さには要注意ですね。

平野:そうだね。そして、相手の頭の中にある辞書を想像して言葉を選ぼう。直井さんの頭に中に「A」という単語の情報が存在しないとしたら、どうするだろう?

直井:「A」について検索するか、推測します。前後の文脈から判断して「A」が示すものを予測します。これで、だいたいうまくいきます!

平野:そう。「だいたい」はそれでうまくいく。でも、たまに、うまくいかないことがあるんだ。その数パーセントでミスが起こり、膨大な時間を使うことがある。メールでコミュニケーションをとろうと思ったら、失敗しないことが重要だ。だから、ミスにつながる芽を全て摘んでおく必要がある。

直井:どんなに小さな芽でも一つ残らず摘む。そのくらいの精神が必要なんですね。

平野:そうだね。このプロセスで考えていくと、読んでもらって、伝わる可能性が高まる。ここまで意識してメールを書けば、うまくいくはずだ。

直井研究員のひと言

メールを読みたくなる、実際に読んでみて読める、さらに理解ができたという流れ。これを理解すると、「返事がこない」「返事が遅い」「誤解を招いた」といったときに、どこでコミュニケーションが停滞しているのか、予測がつきやすくなりますね。困ったときはこの流れを思い出して、解決方法を考えてみようと思います。(by直井)

出典:日経 xTECH Active 2018年11月28日
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