<翌日>

直井:所長、昨日の営業メール、返事がきましたね。

平野:読んだよ。宛名には、ビジネスメール研究所って書いてあるね。でも、前回のメールで間違っていたことには触れていないから、もしかしたら気付いていないのかもしれない。

直井:その可能性はありそうです。あるいは、気付いたけれど、あえて触れていないとか。「前回、お名前が間違っていて申し訳ありません」と謝ってほしいわけではありませんが、間違いに気付いたのなら、触れられていると心証は変わりますね。

平野:そうだね。

直井:「今回のご提案は有料となります。お力になれず残念ですが、また貴社にメリットのあるサービスがありましたら、ご連絡させていただきます」と書いてあります。

平野:あらら。「貴社のメリット」と書いているということは、テンプレートかな?うちは会社ではないからね。

直井:普段、使っているテンプレートなのかもしれませんね。

平野:だろうね。テンプレートを使うときは、相手にあわせてカスタマイズしたほうがいい。これは、細かいところで評価を落としてしまうメールだね。ただ、「また連絡をする」と宣言して、次の提案への布石を打っているのは営業担当者として悪くない。うちは有料サービスを検討していないと伝えたから「メリットのあるサービス」とは、どんなものだろう。楽しみだ。

<数時間後>

直井:所長、また営業メールがきています。しかも、A社の別の方から、同じ秘書代行サービスの提案です。営業担当者が同時に営業メールを送っているんだと思います。

平野:そうか。すでにお断りしていると伝えてください。

直井:分かりました。「……、貴社の○○様からも同じご提案をいただき、お断りしております。ご確認ください」と。送信。

平野:熱心なのはいいことだけど、営業先リストの管理は大切だね。

直井:そうですね。

<翌々日>

直井:所長……、残念なお知らせです。また、A社の別の方からメールがきました。内容も同じです。

平野:えぇ?

直井:社内で共有されていないようです。

平野:これは社内の体制の問題かな。異なる内容の提案ならまだしも、断っているのに同じ内容の提案で、何度も営業メールが届くのは迷惑だ。こちらのことを全く考えていないと言わざるを得ない。残念だけど「営業先リストから外してください」と伝えたほうがいいね。

直井研究員のひと言

営業メールは、読んでもらえたら第一関門を突破。その先に、返事をもらう、検討してもらうと難所は続きます。営業は根気がいるからこそ、送るメールの一通一通、無駄にはできませんね。(by直井)

出典:日経 xTECH Active 2018年5月30日
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