平野:これでは「添付の資料を確認し、気になる点があれば意見がほしい」という依頼を無視した返事とも読み取れるだろう。気になる点がないのであれば「特に気になる点はありません」と伝えたほうがいい。

 「気になる点があれば」という表現から、気になる点があれば返事をする、気になる点がなければ返事をしない(触れない)でもいいと解釈している可能性はある。

直井:意見が書かれていないということは、意見がないってことなのか、と想像できます。でも、所長が言うように、何も書かれていないと「意見をください」というこちらのメッセージを無視されているようにも読み取れます。

平野:そこなんだ。だからといって「意見があっても、なくても、返事をください」とまで書くべきだろうか。

直井:そこまで書くと、ちょっとしつこくなりそうです。

平野:それはやりすぎだよね。書き手の立場になれば「特に気になる点はありませんよ」と一言、返事がくるだけで、こちらのメールをしっかり読んでいる、聞いたことに答えてくれている、と思うだろう。

 それなのに、読み手の立場になると、それができていない人は少なくない。自分が嫌な気持ちになること、すっきりしない感じがすることは、相手にもしてはいけないんだ。

直井:所長、もしかしたら、添付の資料を確認せず、このような返事をしている可能性もありそうです。

平野:そうだね。依頼者としては、意見がないということは問題ないと解釈する。でも、あとで資料に関して指摘をされる。そこで「資料を確認してもらっていますよね。OKをもらっているのに、なぜ今さら蒸し返すんですか」とトラブルになるかもしれないね。この確認者はしたたかな性格で、確認していないのをごまかすために曖昧な返事をした可能性もある。

直井:それは困ります。そういう場合はどうしたらいいのでしょうか。

平野:もし、私が曖昧な返事をもらったら「こちらの資料は、修正なしということでよろしいでしょうか。念のための確認です」のようにメールを送るよ。

直井:これで言質を取るんですね!

平野:まあ、やり過ぎはよくないが、曖昧な返事をしてきて仕事がうまくいかない相手に対しては、こういう方法がベターだろう。

直井:曖昧なままにしないということですね。

直井研究員のひと言

「ビジネスメール実態調査2018」への回答にご協力いただき、ありがとうございました!おかげさまでたくさんの回答が集まりました。結果はこの連載でも紹介します。楽しみにしていてくださいね!(by直井)

出典:日経 xTECH Active 2018年5月16日
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