平野:それは、何について聞かれているのか分からないとき。「この人は何を聞きたいんだろう」と思うメールには、どう返事をしたらいいか分からないし、そもそも返事をしなくてもいいのではないかとさえ思えてくる。それこそ、書き手の問題ともいえる。そうならないように「このメールでは○○について聞きたい」の「○○」の部分を具体的に書こう。

直井:例えば、件名に「5/16(水)セミナー会場についてお問い合わせ」と書いて、本文の冒頭で要旨として「5/16(水)セミナー会場についてお問い合わせします。」と書くのはどうでしょう。

平野:いいね。件名と要旨が一致しているし、用件が具体的だ。件名がメールの開封を促し、読み手も「5月16日(水)に開催するセミナーの会場に関する問い合わせがきたぞ。私は何を答えればいいのかな」と求められていることを理解しながら、本文を読み進めることができる。

 詳細の部分で「5月16日(水)のセミナー会場には駐車場がありますか」などと質問が具体的に書いてあれば「無料の駐車場があります」「有料の駐車場があります」「会場には駐車場がありません。ただ、周辺にはコインパーキングが複数あります」などと回答することができる。

直井:質問にきちんと答えることができるのも、質問が具体的だからなんですね。

平野:そう。質問が具体的であればあるほど、欲しい答えから離れることはなくなるよ。

直井:でも所長、書き手が具体的に書いて、単語や表現からも質問や問い合わせであること、返事を求めていることが読み取れるのに、そのことについて返事をしない、触れずに返事をしてくるというケースもあるのではないでしょうか。

平野:あるね。質問や問い合わせに気付いているのに答えないというのは、仕事である以上、正当化できないよ。少なくとも、質問や問い合わせに触れるべきだろう。

直井:触れるというのは、どういうことでしょうか。

平野:例えば、取引先A社に提出する資料をパワーポイントで作成し、同じプロジェクトのメンバーBさんに意見を求めるとしよう。それは特別なことではなく、意見を出し合って、よりよい資料を作っていこうという共通認識がある。同じプロジェクトに携わる者同士なので、これはBさんにも関係のある仕事でもある。

 そこで「A社へのプレゼン資料を作成しました。添付の資料を確認し、気になる点があれば、ご意見ください」とメールで依頼をした。その返信に「資料が完成したんですね。プレゼンがんばってください」とだけ書かれていたらどうだろう。

直井:意見はないのかなって思います。

平野:そうだね。