富士通マーケティングで営業を担当する田口由起氏。夫の転勤で遠方に引っ越さざるを得なくなり、一時は退職を決意し、上司にも申し出た。だがそのとき、上司が思いもよらない行動を見せる。これによって、田口氏は退職を思いとどまった。

(聞き手は八木 玲子=日経 xTECH)

結婚後、家庭と仕事の両立に苦労はありませんか。

 苦労といえば、自宅が遠いことがあります。夫の仕事の関係で、千葉県佐倉市に住んでいるのです。通勤に、片道2時間かかります。

 佐倉市に引っ越したのは、結婚から1年後。夫が茨城に転勤したタイミングでした。2年前、結婚を機に働き方を変えましたが(前回参照)、夫の転勤も、もう1つの転機になりました。

 私の勤務地は品川です。茨城と品川の両方に通勤できる場所が考えつかず、絶対辞めるしかない、と思いました。上司にも「辞めます」と伝えました。

富士通マーケティング 東京ソリューション営業本部 産業ソリューション統括営業部 エンタープライズ営業部 田口由起氏
(撮影:菊池 くらげ、以下同じ)
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 上司の答えは、「この話、半日待て」でした。そして半日後、上司が路線図を広げて「田口、ここなら通えるぞ」と言ってくれたのです。びっくりしました。夫が通勤できる範囲と、品川からの電車を調べて、ちょうど中間に当たるところを探してくれていたわけです。

 私は地理に疎くて全く気がついていなかった場所だったのですが、「あ、本当ですね。じゃあ辞めません」となりました(笑)。こうして今まで、当社で働いています。

 私は、実際はずっと仕事を続けたかった。「辞めます」と伝えたあとも、「ああ本当に辞めてしまうのか、これからの人生どうしよう……」と悲しい気持ちになっていました。それが、上司のひと言で救われました。

 結婚したときもそうですが、上司は本当に親身になって相談に乗ってくれました。仕事を続ける上で、上司の存在はとても大きいと感じています。

仕事を続ける上で、助けになっている制度はありますか。

 フレックス制度やテレワーク制度には助けられています。それから今、サテライトオフィスがどんどん増えているんです。住まいが遠い身には、とても便利です。

 自宅に一番近いサテライトオフィスは千葉駅の近くにあります。ネットワーク環境が整っているし、印刷もできるし、普段のオフィスと変わらない仕事が可能です。今後は、例えば週1回はサテライトオフィスで作業をするとか、集中したい事務仕事はサテライトオフィスでこなすとか、そういう使い方もしていきたいと考えています。